第272話 眷属チームを編成する1
なるべく俺は前に出ないで、眷属に王国の勇者と戦ってもらうのだ。
念話で盗み聞きした話によると、ロンゲは自らの意志で王国に付いていたらしい。
同級生は洗脳されているから救助するべき対象だと思っていたが、それは大きな間違いだった。
王国に協力すれば待遇が良くなると、自ら協力することを選んだ者もいたのだ。
さちぽよと青Tの証言によると
そして謎の勇者が1人。正体不明であり、先代召喚者との噂があるそうだ。
ヤンキー女子たちもさちぽよと同程度の洗脳を受けている。
特にアマコーは反抗的だったため、1人だけ強く洗脳されているそうだ。
その洗脳さえ解けば、ヤンキーたちが王国に反旗を翻すかといえばそうではないと、今回判明してしまった。
特に男子勇者は自らの意志で協力している者がいるようだ。
助けたいのはやまやまだが、個人の立ち位置を見極めないと、こちらの命が脅かされることとなる。
助けた相手に後ろから刺されるなんて事態にはなりたくない。
つまり、今後は同級生から攻撃されたら四肢を切り落としてでも無力化し、場合によっては殺さなくてはならない。
助ける対象かどうかを見極めなければならず、対象外ならば処分しないとならないのだ。
そのための戦力を眷属チームで整えるというわけだ。
問題は、眷属たちが強すぎて手加減出来ずに殺してしまうという懸念だ。
モドキンなんて存在しているだけで周囲の敵を殲滅してしまう。
手加減できるような知能を持ち、勇者を打倒可能な戦闘力も持っている存在が欲しい。
それと回復役だろう。
やり過ぎた時に、いちいち麗を呼ぶわけにはいかない。
特に戦場が温泉拠点から離れていた場合、高所恐怖症の麗を空移動させられないのだ。
温泉拠点まで患者を連れ帰る時間もないかもしれない。
その役目を回復魔法の使える魔物に務めてもらう。
「あとは集団戦力か」
もし王国の勇者が兵を連れた軍団だった場合、数で対抗しなければならない。
眷属の最大契約数は俺のレベルに依存する。
軍団なんて数の眷属を俺は契約出来ない。
そこで目を付けたのが、配下を従えることの出来る眷属の存在だ。
GKが良い例だろう。俺が眷属としているのはGKのみで、その配下はGKに従っているだけなのだ。
だが、GKに頼むことでGKの配下へも間接的に俺が命令出来る。
これを軍団とするのだ。
「さて、期待を込めてたまご召喚をしようか」
今回はロンゲと戦った後にレベルアップして覚えた【たまご召喚】のサブスキル【たまごショップ】を使う。
これは1日1度ランダムで表示されるリストからたまごを購入できるのだ。
所謂課金ガチャだろう。
『〇〇の卵、〇〇かもしれないやつ 〇〇〇G』という感じでリストが出るのだ。
毎日数件表示され、毎日更新されるらしい。
『かもしれないやつ』に不安はあるが、そこはガチャだと思えば良い。
なんと、良いものが出る確率を上げるランクアップ券も売っているのだ。
今日のリストはどうだろうか?
『竜の卵、脚が速いかもしれないやつ 5千G』
『獣の卵、キツネ系の回復魔法が使えるかもしれないやつ 10万G』
『鬼の卵、集団の指揮をとれるかもしれないやつ 20万G』
『ランクアップ券 30万G』
この4つだった。
獣と鬼の卵は買いだろう。それとランクアップ券も。
おそらく、俺が欲していた魔物の卵そのものだ。
特に獣の卵の方は、キツネ系の回復魔法持ちらしい。
これにランクアップ券を付ければ回復役として申し分ないだろう。
それと鬼の卵、集団の指揮がとれるということは、ゴブリンなんかを配下に従えるゴブリンロードみたいなやつかなのかもしれない。
指揮がとれるというだけで、上位種間違いないはずだ。
俺は、シャインシルクで得たお金を【たまごショップ】に注ぎ込み、2つの卵とランクアップ券を購入することにした。
卵が孵るのは2時間後。さすが課金。孵るのも速い。
60万Gって食料換算だと6千万円だけどな。
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