第102話 お節介も必要か?

お知らせ

 昨日は作者急病につき101話の公開が20時間ほど遅れました。

すみません。

本日分の前に、ギリギリ前日分が公開されています。

読み忘れの可能性がありますので、ご注意ください。


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 俺は田舎でのプロポーズの重要性をはき違えていたのかもしれない。

プロポーズとは直ぐにでも入籍結婚したい、将来結婚に至る交際がしたい、付き合いたいをつい勢いでそう言ってしまったなどと、人によって様々なパターンがある、と思う。

俺の場合は、付き合いたいと言いたかったところ、他の女性に対してプロポーズしたと誤解されたため、それを打ち消すためにプロポーズせざるを得なかったという感じだ。

気持ち的には将来結婚に至る交際がしたいだろう。


 それが田舎の感覚では同棲に至る交際開始になっていた。

いや、そう焚きつけたのはあの2人組――バスケ部女子とバレー部女子――だろう。

なんかこの2人組、一度バトってから仲が良くなった気がする。

強めの2人が組んだことで制御が利かなくなってるかもしれない。

彼女たちの暴走というか、彼女たちの中では善意に基づいた行動なので質が悪いのだ。

この余計なお節介が田舎における結婚年齢の低さに現れているのではないだろうか。


「恋人がいないなら紹介しようか?」


「あの先輩良いと思うよ? 付き合っちゃいなよ」


 そんな感じで出来ちゃった結婚、そして別れてシングルマザー。

それが余計なお節介の結果ではないだろうか。

もちろん、そのおかげで幸せな家庭を築くカップルもいるだろう。

否定はしないが納得は出来ないというやつだろうか。


 その余計なお節介の結果、俺と三つ編み女子は同じハンモックに同衾させられていた。

こともあろうにクモクモにハンモックの拡張までさせていた。


 どうしたものか。

三つ編み女子も悪い気はしていないようだ。

それを断るというのも、プロポーズしたからには、彼女を傷つけかねない。

問題は俺がどのぐらい理性を保てるかだろう。

このままだと、拠点の洞窟内に聞かせてはいけない物音を立ててしまいかねない。

田舎では経験が早いというのは、こんな罠があったのか!


「昨夜はお愉しみでしたか?」


 聞き耳を立てていたくせに、そう揶揄ってくるかバレー部女子。


「もう公認なんだ。私たちに遠慮することはない」


 その言動が本気っぽいのが困るぞバスケ部女子。

そう揶揄われて三つ編み女子も赤くなって下を向く。


 これは早くなんとかしないとならない。

同衾を断るのは三つ編み女子を傷つけかねない。

となると声の漏れない空間を作るしかない。

いや、理性を保てるようにするつもりだよ?


「そうだな。となると個室が欲しいな。

温泉に家を建てるのを推進しても良いかもな」


「おお、転校生くんがやる・・気だぞ!」


「これは後で三つ編みちゃんの事情聴取が必要だな」


 全く、そのノリは何なんだろうね。

面白ければそれで良いという感じか?

それより、散々煽って弄んだマドンナのケアをしてくれよ。

なんか後ろから刺されるんじゃないかと怖いんだけど?


 とにかく心臓に悪い。

しかも俺の理性をゴリゴリ削りやがる。

朝からどっと疲れが出る出来事だった。


「ん? まだ抵抗する気だな?」


 拙い、顔に出たか。


「楽になっちゃえよ」


「誰も損しないんだから、何を悩む必要がある?」


 あれ? 確かにそうかもしれない。

俺が三つ編み女子に対する愛情を保ち続けられれば、何を遠慮することがある?


「なんだったら、ハーレムもいいんじゃね?」


「この世界では合法らしいぞ」


 それは無理。

だけど、この世界の法を考えるということは、彼女たちはもう帰れないと思っているのかもしれないな。

現実問題として、ここに骨を埋めなければならないならば、郷に従う必要が生じるかもしれない。

俺は帰還のための努力は惜しまないつもりなんだけどな。


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この作品はフィクションであり、出て来る田舎は存在せず、その描写にはフィクション故の誇張が含まれています。

フィクションはフィクションとして現実と混同しないようにお願いします。

いや、大多数の方はご理解いただいていると思いますが。

地方蔑視なんて言われると困ってしまいます。

そんな田舎無いんだから。

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