第七十一話「翼は南の島へ飛ぶ」
そんな中、
「
「マスコミに
「そんなの無理に決まってるだろ!
最強ヒーロー・
すでに動けるヒーローたちが対処にあたっているが、
モニターには、立ち入り禁止の
高尾山はまるで子供が砂山を
場所が場所だけに死傷者の情報は入っていないものの、黛桐華の怪人覚醒に
だがそれ以上に“あの黛桐華”が怪人と化したという事実が、ヒーロー職員たちの
黛桐華の
「
「
「ぐぬーっ! ……いつかその
なにせヒーロー学校
ヒーロー本部が
そんな中、現状動かせる
「
「
「今までにないほどのエネルギー反応だ……まるで
「またいつ爆発するかわからん!
山を変形させるほどの力は、ただそれだけで人間社会にとっては大きな
いまや
人の少ない
「黛さん……」
朝霞の
…………。
いっぽうそのころ、アークドミニオン地下秘密基地。
部屋は
真っ
画面に映し出されているのは、ボコボコにのされたヒーローたち。
そして黒い翼を広げる怪人の少女であった。
「ついに覚醒しおったか……桐華」
画面を見上げるのは真っ白な髪に、
彼の目はどこか
「おぬしやはり知っておったか。どうりで支部が攻められている間も
闇の中から、いかにも可愛らしい女の子の声がする。
アークドミニオン
「悪の
「桐華には
「その道は
「クックック、“
真っ
ひとしきり笑うと、ドラギウス三世はその
「タガラック、林太郎ならば今の桐華を救えると思うか?」
「まー、
「まったく、言いにくいことをズバッと言い切りおるわ」
「“
ドラギウスとタガラックは、
画面の中では、黒い翼が海上を飛んでいた。
…………。
林太郎は医務室で
なんとか
「林太郎は怪人なのに、ずいぶん傷の
「そりゃきっと血が薄いってことなんだろうね。ああ、しみる……っ!」
「よし、よく
「……しかし、あのビクトブラックが怪人覚醒とはな」
湊の
目の前で後輩が怪人覚醒したというショックはもちろん、桐華の悲しそうな笑顔が頭から離れないのだ。
とかく情報が早いアークドミニオンのことである。
すでにヒーロー本部が桐華に対し、かつてない
「ありがとう湊、また頼むことになるかもしれない」
「おい林太郎、まさか行くつもりじゃないだろうな?」
「まったく
アークドミニオンの
ならば
さも当然のように言い放つ林太郎だったが、湊は
覚醒した桐華は“
なにせ山を
とてもではないが、林太郎を行かせるわけにはいかなかった。
「……あまりにも
「
「林太郎……お前……」
「アイツが嫌だって言っても、無理やり連れてきてやるさ」
林太郎のドブのように
自分もこうやって林太郎に救われたのだと思うと、湊はそれ以上なにも言えなくなる。
「うぅ……覚悟はできているんだな?」
「もちろん。地の
そのとき、医務室の
フードを深く
「話は聞かせてもらったッス! このサメっち、
それはモコモコしたコートに
初雪が降ったということもあって、まるっきり今さっきまで外ではしゃいでましたという
「おお、サメっち!
「むふふん、お
「すごいぞ! てっきり遊んでいたかと思いきや、なんて
「えへへー、アニキに
サメっちは顔を赤らめると、
林太郎はそのモコモコフードを
「んじゃアニキ、さっそく出発の準備をするッスよ!」
「ああ、どこへだって行ってやるさ。それで、黛……ビクトブラックは今どこにいるんだ?
サメっちは手にしたボールを林太郎に
「
サメっちが手にしていたのは、ボールではなく
小さな指がさす先には、真っ白な大陸が
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます