第五十四話「決戦前夜」
夜の国道をフルスロットルで
真っ黒なカウルに
黒いジャケットを冷たい
最近、桐華は林太郎のことを思い出すことが
殺しても殺しきれない
「デスグリーン……! よくも、よくも私の……!」
黒く
桐華にとって、栗山林太郎という男は
ほんの一年間、同じ
だが天才ゆえ
アクセルを回すとバイクは
全身で風を
「センパイ、今日こそ勝つので私と
「よしわかった。ただし
「そ……そんなのできるわけないでしょう! いったいなに考えてるんですか!?」
「いいか黛、戦う時と場所は必ずしも選べるわけじゃない。時には風呂場で急に怪人に襲われることだってある。常に
「……はい、センパイ……!」
そのせいで訓練教官にめちゃくちゃ怒られてグラウンドを
林太郎は
だが秘密基地でいまは
そのときはじめて気づいたのだ。
黛桐華はきっと、
ドルルルルルン、ドルン……。
目的地に到着しエンジンを切ると、その少女は黒いヘルメットに手をかける。
頭の上から足の先まで
桐華は
そしてその目を、
雑居ビルの
「まったく誰ですか、カブトムシ
「すいませんミカリッキーさん、
「カブトムシゼリーは
さらに前回のビクトレンジャーによる襲撃で、
そのためナンバー
「だけどミカリッキーさん、俺……
「問題ありませんとも。ここは
ピンポーン。
そのとき
扉を
「ちわぁー、ヴィランズピザぇすー!
「おお、待っていましたよ! んんー、この
「まいどぁりゃーす! またんぉ
朝から引っ越しの
そしてウマウマと
「うめぇー、やっぱりピザうめぇアリィー!」
「俺、
「いやあ、このリンゴの
ミカリッキーの手からピザがこぼれ落ちた。
同時に
「おおお……!? な、なんだ急に
「あがががが……手が
「これは……まさか……ホウ
その数十分後、
ドルルルルルルルルルン!
黒いバイクが重く低いエンジン音を響かせながら、
その黒いヘルメットの内側に取り付けられたインカムに通信が入る。
『こちら
「こちら黛。
『
「了解しました」
そう
ヴオオオンと
バイクはタイヤ
…………。
そのころ、林太郎は
ほかの軍団と
すでに高級な
さすがは日本経済の
「おおー、
「いえ、それは結構。少しタガラック将軍とお話したいことがありまして。お時間いただけますか? できればふたりきりで」
「ドキッ! いかん、いかんぞ林太郎! いくらわしが美少女じゃからって! わしが
タガラックは自分の肩を抱きながら、イヤンイヤンと
「
「ちょっとは乗ってこんかい、わしがスベったみたいになっとるじゃろうが」
そういうとタガラックは指をパチンと鳴らした。
すると応接室に
フロア
「これで誰も聞いとらん。すごいじゃろ? 時間が止まっとるみたいじゃろ? これお気に入りなんじゃ、見たヤツみんな驚くからのう」
そう言ってタガラックは完全に停止したメイドさんのスカートに手を
だがパンツを
「むふ、林太郎よ。いまならおっぱい
「
林太郎はフカフカのソファにドカッと腰かけると、
「
ギラリと光るメガネの奥で、ハイライトの無い死んだ
「
「さすがですタガラック将軍。あなたとならいいビジネスができそうだ」
「ビジネスてお前さん……わしを誰じゃと思っとるんじゃ……。それで林太郎、わしは
「それはこれからご説明いたします。なぁに、“今度の
林太郎はソファから立ち上がると、ニヤリと
「
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