第22話

「山岡様、こんばんは」


「まいちゃん、今日も会いにきてくれたんだね。突然、予約してごめんね」


「全然です! むしろ、嬉しかったです」


まいは、山岡に笑顔を振りまく。まいの白い歯がキラキラしている。


「今日は、まいちゃんに話したいことがあって来たんだ。ひとまず、ドンペリ頼もうかな」


「ありがとうございます」


山岡は、ドンペリの中でもかなり高いゴールドを頼んできた。またしても、開始早々、1分で、まいは、80万を稼いだのだった。


「まいちゃんさ、このお店辞めて、うちで働かない?」


山岡は、真剣な顔で話す。


「え、私なんかでいいんですか?」


「まいちゃんに是非、やってほしいんだ」


「どんなお仕事ですか?」


「秘書」


「秘書なんて、やったことないので、できるかな……」


「心配しなくていい。秘書の仕事は、芝浦しばうらっていう男がやってくれてるんだ。まいちゃんは、秘書のフリをして、俺の側にいてくれたらいい。政治家にも華が必要なんだ。もちろん、給料は、ここで働いているよりも必ず高くする」


「私の給料、そんな安くないですよ。聞いてから、後悔しますよ」


「ナンバー1のまいちゃんの給料が高いのくらい察しがつく。俺を誰だと思ってるんだ。この国のトップだぞ。それだけ、金はある。働いてみて、嫌だったら、辞めてもいい。まずは、お試しで1週間やってみないか? 一週間なら仕事休めるだろ」


「分かりました。そこまで言うならお試し1週間やってみましょう」


まいと山岡は、固い握手をした。ここから、湊の秘書生活が始まるのだった。

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