いつからだっけ……

かにかま

第1話

いつからだっけ……。

心の底から楽しめなくなったのは……

私はいつから友達と楽しく遊べなくなったのだろう。なぜ楽しくないかって? 原因は分かっている。それは他人の評価を過剰に気にしているからだ。高校に入ってからだ。他人の評価を気にするようになったのは。高校に進学すると同時に大人の階段を一段登ったのだ。一見すると良いように見えるが違う。私にとってこの一段は大きくこの後の生活に影響をもたらした。ある日、私が他人の評価を気にせざるを得ない事件が起こったのだ。それは私の友人が陰口を言われていたのだ。友人の前では皆、仲良く話していたのに。 友人がいなくなると陰口へと変わるのだ。その事件から私は人は皆、 仮面をつけていると思った。表では良く言うけれど裏では分からない。私は人を信じられなくなってしまったのだ。私は人とすれ違う度にあの人は今私の事をどう思っていたのかを意識してしまう。そして答えのない答えを出し私は大丈夫と自分に言い聞かせてるのだ。そうじゃないとやっていけないのだ。通学電車は特に地獄だった。周りの人は私に対する評価をどのようにつけているのか、 本当に地獄だった。足が震えて今にも泣きそうだったのだ。でも、私は大丈夫と心の中で何回も反復させ言い聞かせる事で困難を乗り越えてきた。だが時にはその魔法の言葉が効かない時もあった。その度私は保健室に直行して泣きながら大丈夫と言い聞かせてきたのだ。友達からの遊びの誘いも断り続けてきた。人と関わったり外にいると評価を気にしてしまうからだ。家にいた方がずっと楽なのだ。友達から遊びの誘いが何回もくるがその度に私は毎回変わる言い訳を友達に言ってきたのだ。こんな高校生活になると思ってなかった。中学生活までが懐かしい。人の評価を気にせず純粋に生きていた気がする。独自性もきちんとあったし毎日人と会うのが楽しかった。だが今はどうだろう。人の目に障る自分の独自性を打ち消し周りに嫌われないよう協調して一生懸命に生きてきた。その結果学校に行く事を恐れるようにまでなった。だがその暗く辛い学校の生活の中で希望が見えた。それはコロナウイルスだ。コロナウイルスは世間では悪いもの扱い。当然私にとってもかかりたくない病だし、 当然希望なんて言ってはいけない事だと本当に理解している。だが、 多くの人々の命を奪ってきたコロナウイルスによって学校は休校になったのだ。それは人と触れ合わずに生活できる事を意味していたのだ。私の心が限界だった時にヒーローの如く現れた。事実、 全くと言って良いほど学校に行かなくて済んだのだ。それは私にとっては本当に救いであった。そして無事に卒業できた。 

私はこれからもまだある人生を、 仮面を被った人々と共に生きていく事を精一杯努力して、生きていくことだろう。 これを読んでくれた人にもそれぞれの悩み、 苦しみがあると思う。難しい世の中だと思う。だけど頑張って共に生きていこう。

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