第22話 ドリーとクレア

町中を歩いている

「ジンさん!!」

サーラと出会い声を掛けてくる

「サーラどうかしたのか?」

「ジンさんは、魔物討伐に行かないのですか?」

「今は行かないが・・・」

「そうですか・・・急に魔物が増えて大変な事になりましたよね・・・」

「そうだな・・・・」

ジンはずーと見つめられているのを気にしながら答える

「あ!ごめんなさい、クレアそんなに見つめないのよ」

「え!うん、お姉ちゃん」

「ジンさん、クレアが精霊様に何故助けてくれないか、聞いてくれると言うので、精霊様を探していました」

サーラが苦笑いしながら言う

「そうなのか・・・・」

ジンが苦笑いする

「見つけたよ」

クレアがジンを見ながら言う

「え!何を行っているの? ジンさんが精霊の筈がないでしょ」

「そうだな、おっさんの精霊はいないと思うな」

「ジン様私が見られている?」

ドリーが言うと飛んでみると、クレアの目はドリーを追いかけている

「私が見えるの!!」

「うん!! 見えているよ」

「うっそーーー!」

「本当だよ」

クレアが笑顔で言うと、ドリーは急いでジンの肩に戻りジンを見ている

「クレア独り言なんて言ったらダメでしょ、ジンさんごめんなさい」

サーラが苦笑いしながら言う

「サーラは、これから討伐にいくのか?」

「え!実はみんなと弱そうな魔物を倒そうと、話をしていたのですが・・・クレアを1人にしておけなくて」

「そうか・・・クレア精霊様探しの続きを付き合ってあげようか?」

「うん!良いよ」

クレアが笑うとサーラは驚いている

「え!私以外で素直に従うなんて!!ジンさんは凄いですね」

サーラは笑顔になってクレアを預けてパーティーメンバーの所に向かうことにする


「クレアどうして精霊が見えるのかな?」

「わからないよ?見えているだけだから」

クレアが笑顔で答える

「ジン様・・・もしかしてシャーマンの素質が有るのかも知れないです」

「そうなのか?・・・クレアは精霊に何を聞きたかったのか?」

「どうして町の木を枯らしたの?」

「あれは警告です、私の森に人間が攻撃を始めたから」

「え?精霊様の森に!どうして?」

「森の恵みを奪い、富を得ようとした人間のせいだな」

ジンが苦笑いする

「だから魔物を増やしたの?」

「魔物は、山側から町側に移動してきただけだよ、ジン様に止めて貰わなかっただけだよ?」

「え?じゃあ精霊様が差し向けた訳じゃないだね」

「そうよ・・・だけど助ける気も無いけどね、町側に領域を広げないと約束だから」

「約束?」

「ジン様との約束は絶対だから・・・例え魔物が増えても私は助ける義理が無いだけだよ」

「そうなんだ・・・ジン様と言うのは何故?」

「ジンと契約しているからだよ!ジン様がいなかったら、この町は森に飲み込ませていたけどね」

ドリーは笑い出す

「え!町を飲み込んでいた!!町は全滅させていたと言うこと!!」

「精霊を敬わない!人が最も偉いと思い込んでいる愚か者!そんな奴いらない」

「精霊様を敬い、称え、森を守るなら精霊様は加護してくれるの?」

「100年は、続けて謝り続ければね!! その気も無い人間など滅びようと構わない」

「・・・・もしかして約束をすぐに破ったの?」

「ギルドマスターが約束して数ヵ月で破ったね」

ジンが苦笑いする

「は?冒険者ギルドの?」

「あいつは一番信用できないね、ジン様!」

ドリーが笑い始める

「クレアどう言う事か理解できたかな?」

「裏切りに精霊様の森を攻撃・・・怒るのも仕方無いよね」

クレアが諦めたように苦笑いしている

「もし今、ジン様に攻撃を仕掛けようとしたら、町所か周辺全て木も草も無くすけどね」

ドリーが笑顔で言う

「え!誰がジンさんに攻撃を仕掛けるのですか?わざわざ怒らせることを?」

「約束すら守れない人かな?」

「やりそうだな・・・・愚か者だから」

ジンが笑い出す

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る