第20話 ギルドマスターとドリアード

ジンは帰ろうとすると、職員に呼び止められて、ギルドマスターと話をする事にする

「ジン殿今回の討伐お疲れさまでした」

ギルドマスターが微笑みながら言う

「社交辞令はどうでも良い!本題は?」

「ドリアード様の森に人は入っても大丈夫ですか?」

「無理だな・・・魔物も人も入れないようになっている」

「入れるようにしては貰えないのですか?」

「無理だろう・・・結界が無くなれば大量の魔物が押し寄せる、逆を言えば森を通り抜けれないから魔物もこっち側に来れない」

「そうですか・・・残念です・・・何故結界が?」

「魔物に狙われているからだな・・・あの土地の魔力溜まりは大きくなったから、下手に大物に奪われれば、凄く強力な魔物が生まれるぞ、それで良ければ良いが・・・」

「もし生まれたら太刀打ちは出来ますか?」

「無理だな・・・」

ジンが苦笑いする

「結界を抜けれたらどうなりますか?」

「守護者にボコボコにされるだけだな・・・かなり強いぞ」

「そうですか・・・・あれだけの資源が手をつけれないなんて・・・・」

「欲を出すのは辞めといた方が良いぞ・・・ドリアードの加護が無くなれば、森は無くなるぞ・・・そして周辺の草原も岩場に逆戻りだな・・・魔物の巣窟になったら人は住めないからな・・・・」

「そうなったら・・・・町は終わりですね」

「そうだな・・・それだけで済めば良いが・・・地域の活力が無くなれば周囲も崩壊するな」

「え!」

「森と言う森が失われて全部を岩場になるかもな・・・ドリアードが失われれば」

「本当に・・・・」

「精霊が森を守っているが、守るものが居なくなれば、森を育て守るものが居なくなるのだから仕方無いな・・・そうなりたい馬鹿は中々居ないと思うが・・・居たら人間が自滅だな」

「・・・・・どうすれば・・・・」

ギルドマスターは青ざめている

「どうした?まさか本当にドリアードと喧嘩するつもりだったのか?」

「・・・・・その様に言っている人がいる」

「自滅したくないから・・・どこか遠くに行くか・・・死にたくないからな」

「ジン殿ならドリアード様に少し恵みを分けて欲しいと頼めませんか?」

「は?今押さえて何とか森を町側に広げない様にしているが、それが出来なくなると・・・・終わりだな」

ジンが真剣に言う

「そんな・・・・」

ギルドマスターは青ざめ始める

「ジン様脅しましょうか?」

ジンが頷く

「え!町の周りの草木が生えない土地にする?そんな事にしたら!!ちょっと待ってくれ、ドリアード!は?もう許さない?」

ジンが苦笑いしている

「ジン様面白い!じゃあ町中の木は全部を枯らすね」

ドリーが集中する

「え!今から町中の木を枯らす!!」

ジンが慌て出す

「え!!なんだって!!本当にドリアード様が!!」

ギルドマスターが驚くと慌てて外を見ると近くの木が枯れ始める

「大変だ!!頼むドリアード様に辞めて頂く様に言ってください!お願いします」

ギルドマスターが慌て始める

「ドリアード様止めてくださいお願いします」

ジンが言う

「え!止めない?何故?・・・・人間が悪い!全部を自業自得?なんでですか?」

ジンが呟いている

「もう終わりか・・・・ギルドマスターが崩れ落ちる」

「ギルドマスターどうしましょう・・・何かドリアード様の怒りを静める手立ては有りませんか・・・・」

ジンが苦笑いしている

「大変です!!町の木が異常な早さで枯れ始めています」

職員が慌てて入ってくる

「ドリアード様が怒った様だ・・・どうすれば・・・」

ギルドマスターが呟く

「え!精霊様が!!どうなるのですか?!」

「解らないけど、まさか木を枯らせるなんて知らなかった」

ジンが呟くとギルドマスターが頭を抱えている

「ジン様一度止めますね」

ドリーが笑顔で言う

「え!次は全て枯らす?今回は許してくれるのですか?・・・・・森に近付いたら次は解っている?」

ジンが呟くと苦笑いしているのをギルドマスターが見て苦笑いしている

「どう言うことだ?」

ギルドマスターが言う

「どうやらイタズラの脅しの様ですね・・・森に行って、本体に会ってどう言う事か聞かないといけなそうです」

ジンが苦笑いしている

「これで脅しか・・・本当に怖いな・・・」

ギルドマスターが青ざめている

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