第6話 魔力溜まりの権限
翌日、中央の泉に向かうとドリーが消えて泉に翠の長い髪をした精霊が現れる
「これが私の本体です」
「最初に会った時より大きくなった?」
「はい、大きくなったよ」
「じゃあ、早速調整方法を教えて貰おうかな?」
「泉に触れて、マスター権限オープンと言ってください」
「マスター権限オープン!」
泉に文字が浮かび上がると
「この魔力総量が森の魔力で結界魔力消費と森への魔力供給とマスター魔力供給と代行者への魔力供給だね」
「その通りです・・・いじるのですか?」
「森への魔力供給が森の成長にかかる魔力供給だね」
「そうです・・・・」
「魔力総量はどうしたら、大きくなるのかな?」
「森が大きくなるか、支配領域を拡大出来れば出来ます」
「支配領域拡大はどうすれば良いのかな?」
「え?・・・隣接する領域を統一すれば良いです」
「そうなんだね、町に迷惑をかけないで森を拡大することは出来るのかな?例えば町と反対側に拡大とかね」
「え?可能ですが面倒」
「面倒か・・・じゃあ代行者への魔力供給を減らそうかなーー」
「いやーーーダメーーーそれだけは止めてください!!言う通りにしますから」
「じゃあ、ちょっと見に行こうか?山側の方を」
ジンはそう言うと泉から手を離して
「調整を終わらせる時はどうすれば良いのかな?」
「え?マスター権限クローズと言ってください」
「マスター権限クローズ!」
泉の文字が消えるのを確認してから、森を歩き出すとドリーは分体が現れて肩に乗り、しばらく歩いていると、森を出る。木が少なくなっていく
「ここが境界線だよ」
「この先は魔物が支配しているの?」
「そう精霊はいないよ」
「魔物を殲滅しても問題は無いね」
ドリーは笑い始めると結界を解いていく、そして魔物が現れ始める
「蛇?」
「蛇です」
ドリーは苦笑いして震え始める
「嫌いだから全部切り刻めばいいか」
苦笑いしながら、剣を抜いて近付く蛇を斬り、両断すると黒い霧になって消えていく、蛇が次々と近付いてくる。ジンは剣で次々と斬り続ける
「ん?これでやっと終わりか・・・」
周りには無数の魔石が転がっている
「凄く早く倒せるようになっているね」
「弱すぎるからだ、ドリーさっさと魔石を集めて」
「え?私にやらせるの?」
「やりたくなければ仕方ない・・・協力しないから、後で調整しに行こうかな?」
「すすすすぐに拾い集めます」
ドリー蔓を使い魔石を集め出す。ジンはリュックに詰めている
「どうするかな?」
「あっちに行けば良いよ!!」
ドリーが笑顔で舞っている
「嬉しそうだな?」
「え?だってここを取れそうだし」
ジンがドリーの指差した方角に歩き始める。大きな蛇が見えてくる
「あれがボス?強そうだから帰ろうかな?」
「え?ジンなら倒せるから倒して!!!」
ドリーが大声で叫ぶ
「シュルルルルルーーー」
大蛇は喉を鳴らしながら向かってくる
「ドリーの
「え?イヤーーー」
ドリーは慌ててジンの頭にしがみつく。大蛇は速度をあげて接近する、ジンは剣を抜き身構えると大蛇は体液を吐き出す
「え?危ない!!」
ギリギリでかわすと地面の草が枯れ始める
「どど毒!!」
接近する大蛇に剣で斬りつけながら横に移動していく。大蛇はジンを捕まえようと回り込み始め、尻尾でははたきにくる、ジンはギリギリでかわして後ろに飛び退く
「シュルルシュルルル」
大蛇は縮むと一気に飛び付いてくる、ジンは避けながら剣で切り裂くと、黒い煙が出ながら蜷局を巻き始めるがジンは次々と剣で斬り付け続ける
「イケーーー!ジン!!!」
大蛇が体液を吐き出すが避けて、剣で頭を突き刺す。大蛇は剣の刺さったまま暴れ始め、ジンは飛び退き、短剣を目に突き刺す
大蛇は、黒い煙を出しながら暴れ続け次第に動きが鈍り、黒い霧になって消えていく
「危なかった!!めちゃくちゃ強い!!」
「ジンの方が強いよ!!」
ジンは、地面に落ちた剣を拾い、魔石を拾いリュックに入れると、周囲を見渡すが泉が無いのを確認する
「この土地の支配は、どこで契約すれば良いのかな?」
「あの岩!!」
ドリーが岩を指差す。ジンは歩いて近付き、岩に触れると岩が淡い光を発する
「これで良いのかな?」
「これで良いよ」
ドリーが嬉しそうに笑っている
「マスター権限オープン!」
ジンが内容を確認を始める
「マスターに魔力が殆ど供給されているね、変更だな!代行者も今は無しだな」
「え?お願いちょっと頂戴!!」
「結界が張れない?何故だ?」
「荒れすぎて結界張る魔力が無いからだよ!!」
「じゃあ・・・土地の力をあげる方に力を殆ど投入だな!」
「え?折角取ったのに魔力供給してくれないの?ヤダーー!」
「ドリーはバカ?結界が張れる様になってから魔力は貰えば良い!」
「え?・・・・折角だからほしいの!!」
「ダメ!契約解除とどっちが良いの?」
「うっ!!意地悪!!!」
「マスター権限クローズ!」
「うっ!ヤダーーー!!」
「はぁーーだから魔物に乗っ取られるだな・・・守り無くして繁栄は無し」
「だってほしいだもん」
「調教が必要だな!」
「ちょうきょう?何?」
「教育、躾と同じ様な事だ!我儘言ったら魔力供給1つずつマイナスだな」
「え?・・・・やだーーー!!」
「あ!我儘言ったねマイナス1だね」
「え?・・・もう言わないからお願いします、仁様!!」
ドリーは頭を下げながら涙目で宙に浮いている
「結界が張れる様になるには、どのぐらいかかるかな?」
「え?うーん10日ぐらいかな・・・」
「じゃあ維持するのは無理だね」
「え?・・・・どうしよう・・・」
「どうしたら奪い取られるの?」
「ジンが死んだら取られるけど・・・いない間に魔物は、魔力を盗むことは出来るよ」
「死ななければもう奪われないだね」
「うん!後は全ての魔力が奪われたらダメだよ」
「わかった!一度町に帰って準備してくるかな?」
「え?何故?」
「1日に何回か奪い返せば良いだろ?」
「あ!そうだけど」
「結界の中でゆっくり休むための、食料と武器防具を少し持ってきた方が良いから、準備するよ!!」
「あ!それなら寝る場所は準備してあげる」
ドリーは笑顔で飛び回る
「魔力は俺のだろ?」
「うっ!!そうです・・・だけど必要でしょ?」
「テント買ってくるのは面倒だからな」
「急いで町に帰って戻ってこよ」
ドリーが笑顔でジンの回りを飛び回る
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