ぼくは誰でしょう

水瀬 光

短編

ぼくをもらうと人は幸せになるらしい

ぼくがもらえないと人は不安になったり寂しい気持ちになるらしい


ぼくが目に見えないのが悪いのかな

ぼくはたしかに存在してるのに、いないように扱われるとすごく悲しくなる


ぼくがいるかいないかをめぐって喧嘩する人たちがいるけれど、そのたびにぼくは叫びたくなる。

「ぼくはここにいるよ!だから仲良くして!」って。


もしぼくに色をつけるとしたら何色がいいだろう。

情熱的な赤、ロマンチックなピンク、純粋な白、少し憂いを含んだ水色。

どれも捨てがたいから、そのたびに色を変えるとしよう。

そうすれば少しは争いがなくなるかもしれないよね。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ぼくは誰でしょう 水瀬 光 @hikari_m

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る