第65話、新魔法





王立魔法図書館

この国で発見されたのあらゆる魔法が乗っている魔法書が揃っていて、一般人には閲覧不可になっている。

冒険者もBランク以上から閲覧できるようでこのタイミングで図書館にこられたのは本当に何かに引き付けられている様な気さえする。


「アルトは何の魔法書を読むんだ?」


「僕は、聖魔法を重点的に読む予定だよ。

またルシフェルの様な奴が来ないとも限らないからね...。

次は僕も戦えるようになっておきたいんだ!」


「そっか...俺は何にしようかな...?

おっ!?これなんか良さそう。」


俺は一冊の書を手に取った。

その名も重力魔法。


「また難しい本を選ぶんだね。僕も読んではみたけど、まだ使えそうもなかったよ...。」


「ほう...。」


賢者の職を持つアルトでも難しい本か...

試しに読んでみるか...


俺は席に座り重力魔法の書に目を通した。



重力魔法....

・重力魔法とは対象の重さを自在に操れる。

それは自分自身も対象となる。

軽くすれば浮くし、重くすれば対象の100倍の重さにまですることが出来る。

動きを止めたり、大型モンスターとの戦いには大いに役に立つであろう。



おぉ...

これはいいな。

自分自身を軽くすれば浮くってことは、

風魔法を使えば空を自由に飛ぶことが出来るし、自分自身に重さを乗せればそれだけの負荷でのトレーニングが出来るって訳か...

ドラ○ンボールであったな...

どっかの星に主人公が行くときに100倍まで負荷かけてトレーニングしてたのが。

俺もこの魔法を覚えて、トレーニングしてみたい。

悟○式ブートキャンプ!!

絶対最強への道間違いなしだな!

俺は自然にニヤニヤしてしまう。


「ちょっとアンタ!魔法書を読みながらニヤニヤしないで!気持ち悪い!」


「マスター...それは流石に私も引きますよ...。」


ヴォイスとリアに気持ち悪がられてしまった...

只、最強への道が見つかったからうかれただけなのに...

図書館では大声出しちゃいけないんだぞ...

と思っていたのだが、

この世界の図書館は違うらしい...

周りでは抗議をしていたり、雑談をしていたりしている。

よくよく張り紙を見てみると、

[うるさく感じた人は自分でサイレントの魔法をお掛けください。]

と書いてあった。

なるほど...

集中したい人は音を遮断すればいいのね...

よし...


「みんな、俺は集中してこの魔法を覚えるからサイレンの魔法を使う。

何か用事があったら肩を叩いてくれ。」


「うん。分かったよ。」


「マスターわかりました。」


よし、集中するぞ!


「サイレント。」


回りの音が遮断された。

この魔法は集中して本を読んだり、作業をする時にしか使えないな...

まぁ今はいいけども、


俺は無音の中、重力の書を読み続けた。

そしてどれくらいの時間が経ったのだろうか、俺は本を読み終わり。

目を瞑り、重力の魔法をイメージをした。

負荷をかけるイメージと負荷を軽くするイメージだ。

イメージの中では成功。

そして、鑑定をしてみると...

見事に重力魔法を覚えていた。

イメージもミヨウミマネのスキルが働いた事になる。

新しい発見に俺は喜んだ。

そして、周囲を見渡すと誰もいなくなっていた。

[あまりにも集中してたからご飯食べに行ってきます。地図を書いておくので待ってます。]


と書き置きだけを残して...


寂しいじゃんかよぉ~...

俺はトボトボ図書館を出ていくとスッカリ日が暮れていた。

これじゃ帰るわな...

どんだけ集中してたんだろう...

おっと念話があったな。

ヴォイスに連絡を取るか。


ヴォイス。聞こえるか?


(はい!聞こえますよ!)


今終ったからこれからそっちに向かうな!


(分かりました。もしだったら迎えに行きましょうか?)


大丈夫だよ。みんなとの食事を楽しんでくれ。


(はい!ありがとうございます!待ってますね!)


あぁ。すぐ行く。


俺はヴォイスとの念話を切り、みんなの元に歩いた。

しばらく歩くと後ろから付いてくる人の気配を感じた。


「コソコソ付いてきて来てないで姿を見せたらどうなんだ!!」


俺がそういうと大柄な男が物陰からが現れた。


で、でかいな...


俺はとっさに身構えるのであった。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る