第48話、緊急警報




久しぶりにパーティーメンバーが全員揃った。

今俺たちはソーマの店ノースフォックス武具店に居る。


「コウ出来たよ!これが君たちの新しい武具だ!」


俺とアルトとゴングに別けられて置いてある。

俺のところには剣が4本?

何故?


「コウは闇の力を使うだろ?

こっちの双剣はミスリルと神秘の泉の水で作った剣だから破邪の剣ってところかな。

邪気を弾く効果があるんだ。」


「それって俺に使えないんじゃ...」


「闇の力を使ってないときは使えるだろう..」


確かに...


「んでこっちがロックドラゴンの骨と核と魔石で作ったドラゴンソード。

これは魔力との親和性が高いから闇の力も倍増してくれるはずさ!

コウは収納を持ってるから出したり仕舞ったりが簡単に出来るから2つの武器を作らせてもらった。

どう僕すごいでしょ?」


「あぁ...凄すぎて言葉にできないよ!

ソーマ!本当にありがとう!」


「良いって俺とコウの仲じゃないか!

そして防具もドラゴンの素材使ってるからね!」


俺は早速装備してみた。

身体によく馴染む...

細かく採寸とかしてないのにこの着こごちは、ソーマの職人としての技量がめちゃめちゃ高い事が証明されている。

オリハルコンの武器もめちゃめちゃ楽しみになるな...

 

「おぉ~!コウ君、めちゃくちゃ格好いいよ!」


「兄貴!勇者見たいですだ!」


そんなに誉めるなよ...

照れるじゃないか....テヘヘ...


(本当によく似合いますよ!マスター格好いい...)


ヴォイスもありがとう...


「みんなも着てみなよ!

不具合があったら調整するから言ってね!」


ソーマに促されてみんな新しい装備を装着した。

アルトは、破邪のマントと杖は神秘の杖。

この神秘の杖は仕込み刀になっているらしく、もし接近戦になった場合に使えるらしい。

元、王子だから剣術の心得はあるから嬉しいみたいだ。


ゴングは、神秘の鎧とドラゴンナックルだ。

ミスリルと神秘の泉の水で作った鎧なだけに、少量ながら自動回復するらしい。

ドラゴンナックルは腕を覆っていて、攻防一体型になっていた。


リアは精霊なのでそのままで、ラテも冒険者時代の装備を少し手直ししたのと、デスタランチュラの弓を神秘の水で邪気を払って生まれ変わった、精霊の弓になっていた。

リアの魔法を矢に乗せられるらしい。

アルト、リア、ラテの連携は楽しみではある。


「みんな似合ってるぞ!次の冒険が楽しみだな!」


「そうだね!今からウズウズするよ!」


「兄貴!おらも試したいだよ!」


「みんな気に入ってくれて嬉しいよ!」


「あぁ!本当にありがとう!また宜しく頼む!」

「うん!オリハルコンを抽出したら、

また素材を頼むから宜しくね!」


「それは任せてくれ!

俺たちももっと強くなって素材集めにどこでも行くから!」


俺たちはソーマに感謝をして、店を後にした。


「この後どうする?

ギルドでも行って任務でも見てみるか?」


「ハァー!?また任務?

私たちは毎日ギルドの任務してクタクタなんですけど!

ね?アルト様!」


「ま、まぁ。とりあえずご飯でも行ってこれからの事を話さない?」


アルトはリアに言われて圧倒されている。

三人はずっと任務してたのか...


「そうか...とりあえず昼飯にするか...」

「んだな...」


「なら私が今日は出すわよ!コウはこの前お金いっぱい使ったでしょ?」


「流石にそれは...」


「僕も出すよ!

いつもコウ君に出してもらってばかりだもん!」


「いや、これはパーティーのお金...」


「あぁ~!ウダウダうるさいわね!

アンタは私たちに甘えれば良いのよ!!

ゴングもね!」


「お、おう。そこまで言うんなら甘えさせて頂きます...」

「おらも...お願いしますだ...」


「宜しい!ほら行くわよ!!」


俺たちはリアとラテの後を付いていきたどり着いた所は、超がつくほどに高そうな場所だった。

めちゃめちゃ緊張する...

その中リアとラテは慣れてるようで当たり前のように入っていく。

アルトは、流石は元王子。

スマートに入っていく。

俺とゴングは緊張してオドオドして、緊張のあまり手を繋いで入店した。


「最上階の個室は空いてるかしら?」


「はい。空いております。」


「そこに5名、フルコースで。」


「かしこまりました。

お部屋をご案内します。」


ラテはボーイにチップを渡して、俺たちは部屋に案内された。

その途中、エレベータみたいなのがあった。

魔法で動いてるらしい...

すごいな...異世界...


そして部屋に案内される。

何だここは...

案内された部屋は街並みが一望できる。

まるで空中に浮かんでるような部屋だった...


「いつもこんな高そうな所に来てるのか...?」


「私たちはたまに来てるわよ。たまには贅沢しないと...」


「そうよ!女子はストレスが貯まりやすいんだからこういうところに来て美味しいもの食べてストレス発散するの!」


こんな所にちょくちょく来てたら発散じゃなくて破産しそうだ...


「まぁまぁ、コウ君もゴンさんも今日は気にせず楽しもう!」


「あぁ...そうだな...ってなるか!

めちゃめちゃ緊張するわ!ゴングもそう思うだろ?」


「おら、夢でも見てるんだべか?」


「ほら!現実逃避してるじゃないか!」


「本当にアンタたちヘタレねぇ~!

英雄様なんて呼ばれてるのが恥ずかしいわ!

もっと堂々としていなさい!」


チクショー...チビのクセに...


「オイ!今チビのクセにと思ったろ!!」


えっ?

心の声が漏れた?


(多分、念話の類いでしょうね。)


「正解!アンタ、ママに会った時にユニークスキルで念話を獲得したの忘れてるんじゃない?」


「そうだった...スッカリ忘れてた...」


(じゃぁ、ワタシの声も聞こえてたんですか?)


「そうね...でもあなたを説明することが難しいしから黙ってたのよ。」


「何々?なんの話?」


みんな興味津々で耳を傾ける。


「説明難しいな...

俺の中にヴォイスって言う自我をもったユニークスキルがあるんだけど、

念話が使えるリアが喋れたって話なんだ...

これで上手く説明出来てるかな?」


(マスター...スキルじゃなくて最愛の人女房です!!”マスターのバカ!!)


「アンタ最低ね!!女房を泣かすなんて!!」


なんで俺が責められるんだ...


「謝りなさい!!」


周りはポカーンとしている。


ごめんな...ヴォイス...


(いいんです。ワタシなんか...)


本当にごめんて...もっと大事にするから...


(ぐす...本当に大事にしてくださいね...)


あぁ...約束する。


(わかりました...)


「よし、仲直りしたみたいね!良かったわ!」


リアは納得したみたいで頷いている。

が、他のみんなは訳がわからず困惑していた。


「よく分からないけど、ご飯食べましょ!」


「そうだね!」「んだな!」


無かった事にして次々と運ばれてくるご飯を食べ始めた。


まぁ、ヴォイスにも俺の他に話相手が出来たって事で良いのかな...?


俺も料理を食べ始めた。

旨そうな肉だな。


早速一口。


パクっ!




.......



.............




「なんじゃコリャァァー!!」



旨い!旨すぎる!

口に入れた瞬間溶けてなくなったぞ...




「こちらの料理は海竜の霜降りを低温調理をして、表面を軽く炙りましてラリュフと言うキノコのソースを掛けています。」


「丁寧にありがとうございます!」


美味しいものは正義だな...

俺もミヨウミマネで作れるかな?

今度チャレンジしてみよう。


俺たちは美味しい料理を堪能した。


「いやぁ本当に美味しかった!

リア、ラテ、アルト連れてきてくれて本当にありがとう!」


「おらもこんないいお店に来れると思ってなかっただよ!本当にありがとう!」


「いっぱい稼いでまた来ましょう...

ちょっと会計してくるわね。

その間これからの事を話しといてちょうだい。」

ラテは支払いの為に退席をした。


「さて、今後の事なんだけど...」


と、俺が話をしようとした時、街中に大きなサイレンがなった!!


「緊急事態発生!緊急事態発生!

街に居る全ての冒険者に告ぐ!

ただちにギルド前に集まれ!拒否権はない!

集まらない冒険者は冒険者資格を剥奪する!

繰り返す!」


「何か合ったみたいだな!みんな行くぞ!!」


ラテと合流して俺たちはギルド前に向かった。


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