第3話

 階段から突き落とされたけど、幸い、私は大きな怪我をすることなく、軽い打撲で済んだ。


 昨日1日中横になってたせいか朝早く目が覚めた。

 いちご畑にいくぞー! でも私、サボテンも枯らす女だったんだけど・・・・・・

 とりあえず、水を撒いたらいいのかな? もう収穫時だったらしいから、早く摘んでしまったほうがいい。それに、ロープを張って、いちごを守っとかなくっちゃだね!


(いちごの育て方くらい、記憶残していってよー。ゲームじゃ、いちごに話しかけて水蒔いてる場面しかなかったからなぁ)


 ラズィが育ててるいちご畑は、ラズィの記憶が場所を知っている。そばに園芸小屋があるはず!

 あった!!

 ジョウロ(こんなので畑って水まきできるの??)とロープを見つけて、さっそくお世話をしに、いちご畑にいく。


 思ったより、いちご畑は小さい。赤く色づいているいちごが実っているのが遠くからでもわかる。

 小粒のいちごが「食べてー」って言ってる気がする。 

 これってオーガニックだよね? 洗わなくってもいいだろう!


 一番赤くなっている実を一粒、パクン!

「ちょっと酸味があるけどおいしいじゃん!」


 いいねー 爽やかな朝のいちご畑で かわいい小粒のいちごを食べる美少女!

 絵になるわー きっと・・・・・・

 スクショ撮りたいわぁー


 さて! まずは水まきだ。 まんべんなく水をかけていると、いちごちゃんたちが 愛おしくなってくる。私ラズィの気持ちになってる。


 水まきが終わると、イザベラさんがいちご畑にやってくるのが見えた。


「おはよー イザベラさん」

「おはよー ラズィさん、思ったより怪我がひどくなくてよかった!」


 イザベラさんは、私の姿を見ると駆け寄ってきた。

 あんなフワフワのドレスを着て走る姿は――あまり可憐じゃない。

 そばにきたイザベラさんに「侯爵令嬢だよー イザベラさん!」って注意しようと思ったとたん・・・・・・


 ドテッ!!!


 イザベラさんが畑の横においてあったロープに足をひっかけて、派手に転んだ。


 いちご畑にダイブーッ!!!!!


 いちご畑でつっぷしたまま動かないイザベラさん。

 フリーズした私。


 これって、   ないよねー

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