妹と不貞を働いた婚約者に婚約破棄を言い渡したら泣いて止めてくれと懇願された。…え? 何でもする? なら婚約破棄いたしましょう

にがりの少なかった豆腐

人物紹介 ※ネタバレ注意


 主要登場人物年齢順:アグルス>トーア>オージェ>リース

 ※トーアとオージェは同い年ではなく、1歳差


・主人公女 トーア

 トーア・フィラジア子爵令嬢→トーア・ナルアス


 婚約者に婚約を破棄する旨を言い渡した。

 発言や目立つ行動は少ないが、結構芯がしっかりしている少女。貴族の当主夫人としては将来有能になるだろうが、まだまだ経験不足。面と向かって褒められたり愛でられたりするのはあまり得意ではない。

 妹であるリースから長く嫌がらせを受けていたため、嫌がらせの耐性はとても高い。対処もお手の物、とは言わないが冷静に対処することが出来る。最初は商家に嫁ぐことが決まっていたため、貴族社会に関する知識は最低限しかなく、ナルアス辺境伯家に嫁いだ後はそれを補うための勉強などの素養を補うことが最優先になった。

 元より忍耐強い性格だったが色々あった結果さらに忍耐強くなっている。そのため、嫌な事でも永遠にやり続けるだけの精神力を持つ。批判や嫌味を受け止めそれを表に出さないという、貴族の婦人としてよい才能を持っている。(あくまで貴族の夫人としての物であって、人としてはあまり良い才能とは言えないけど)

 アグルス・ナルアス辺境伯の妻として最終的に2人の子を授かる。



・主人公の婚約者

 オージェ・ゼペア


 主人公の幼馴染兼婚約者 基本的に場の流れに流されやすい。リースの言葉のままに関係を持ち、トーアに婚約破棄を言い渡される。

 ゼペア商会の次期商会長。

 リースのやらかし、親の強引な商法により一時的にゼペア商会の跡継ぎではなくなったものの、デスファ侯爵や国の意向によりゼペア商会の商会長になる。

 新しく商会長として就いたものの引継ぎも何もなくいきなり商会長になったため、混乱を招いた。しかし、前章会長の息子であるためすぐに混乱は収まる。いくらかの商会員が辞めて行ったが、商会の規模を縮小することが決まっていたため大きな痛手にはならずに済んだ。

 割と流されがちではあるが仕事に関する芯自体はしっかりしている方で、今後のゼペア商会をしっかりと引っ張ることを決意している。

 ゼペア商会を引き継ぐ際、リースが家に戻って来たことを少なからず喜んでいたが、同時にまた何かをやらかすのではないかと不安に思っている。



・主人公の妹 リース

 リース・フィラジア子爵令嬢→リース・ゼペア


 能天気な今が良ければそれでいい系の妹で、姉の所有物を常に欲しがっている。しっかり者の婚約者が居たがこれを機に婚約を破棄され、トーアの婚約者であったオージェと婚約した。その際に、契約で実家であるフィラジア子爵家との縁は切られている。

 見た目は比較的美人ではあるが性格がそれを無に近付けるくらいには悪い。

 理由は不明であるが、後ろ暗い貴族との繋がりも多い。基本的に自力でつないできた縁であり、この点だけは有能である。

 凄く出来る訳ではないが、大半の事がそれなりにできる姉と比較され育ってきたことによる、姉コンプレックスの塊。元から自分中心の考え方を持っている子どもではあったが、作中程悪化した主原因は親からの教育によるもの。

 自分が姉であったら、と思う中で姉の持つ物を奪えば姉に近付ける、という思考回路が作られ、結果あのような形に。

 怖い物が苦手。叱られるのが苦手。男性に怒鳴られるのが苦手。と意外と圧には弱い。

 姉の婚約者だったからではなく、怖くないし叱ってこないし怒鳴らないからと、オージェの事は割と好き。半面、常に睨んでくるアグルス・ナルアスは嫌い。

 行動からわかり難いが身持ちは堅い。オージェ・ゼペアと商会を経営し、最終的に子を1人授かる。



・アグルス・ナルアス辺境伯爵


 年若い辺境伯当主。当主であった前辺境伯は流行り病で早世した。そのため色々黒い噂が流れているが、事実無根である。

 リースの元婚約者であるが、元より恋情もなく政略であり義務の婚約を結んでいただけだった。

 元より感情を表すのが苦手な性格だったことと、リースの対応をする際の態度から冷酷な人物だと周囲から見られている。

 見た目は良いので学院生時代は好意を持たれることが多かったが、父親との関係が一番悪化していた時期だったため、その雰囲気を察していた者たちは近付くことはなかった。

 前婚約者のリースの影響と父親である前辺境伯の影響で妻になる者に対する要求が少しだけズレており、その要求に見事一致しているトーアにはベタぼれしている。

 要求としては、自分から意見は言わないが芯がしっかりしており、文句は言わない。頭が凄く良い必要は無いがそれなりにいい事。指示した事をしっかりとやり、自身の事を否定しない事、など。

 成人してから王都で執務をしていたため、王都に住まう貴族との繋がりがある。

 母方の実家の貴族家は前辺境伯である父親が死んだ際は特に反応を示さなかったが、トーアと婚姻を結んだ際に少しだけ接触機会があった。そのれから少しずつ歩み寄りを重ね、今では関係は改善している。ただ、母親は父親同様に流行り病でなくなっている。

 子供が生まれたことでさらに過保護になっている。



・トーアの側仕え ラン


 トーアがナルアス辺境伯家へ嫁ぐ際に連れて来たメイド。

 トーアが小さい頃から仕えていて、トーアのほぼ全てを把握している。一応男爵家の出ではあるが、実家は既に存在していない。自分の事を拾ってくれたフィラジア子爵家の当主一族に忠誠を誓っている。今は主人であるトーアのために行動している。

 小さい頃からトーアの事を知っているため、トーアの事を妹のように思っている。

 実は前執事長の指示で少なくない嫌がらせを受けていた。今までもリースに使えていた使用人から嫌がらせを受けていたため、容易に受け流せてはいたが仕事に支障を来す可能性のある物まであった。



・ゼペア商会商会長夫妻 ギレ・ゼペア ナフ・ゼペア


 オージェの親にしてゼペア商会を強引に成長させてきた人物たち。貴族の事を金持ちの金づる、カモとして見ていた結果、人生を終える。

 商会長として有能という訳ではなく、暴力や圧力、脅しなどを駆使して幾つもの商会を取り込んだ結果、商会の規模が大きくなったというだけで、商才などはあまりない。そもそも商会の管理は取り込んだ商会の長などに任せていて、それを自分たちの才能だと勘違いしていたのが転落の始まり。

 周辺住民からのゼペア商会の印象は、やたら大きくて殆どの商品は手に入るけどあまりこれといった特色もなく、何か後ろ暗い噂がある商会長が経営している店、と言った感じだった。



・前ナルアス辺境伯


 アグルス・ナルアスの父親。

 子がアグルスだけな上に親子仲が最悪と言えるほど悪かった。息子は成人して直ぐに王都へ働きに出ていたが、それについてもいろいろと愚痴を漏らしていた。実は女癖が悪かった。

 既に死去している。死因は流行り病による肺炎。

 妻には意見の相違により離婚しており、妻方の実家とは険悪な関係であった。


 

・執事長 グシス


 前辺境伯の頃から仕えている使用人のトップ。実に有能な使用人であり前辺境伯に忠誠を誓っていた。前辺境伯が何の前触れもなく早世した事で現辺境伯が殺したのではないかと疑い、次第に害悪使用人になってしまった。物語中盤では使用人の多くを扇動し現辺境伯に嫌がらせを働いていた。他の使用人からすれば、あまり屋敷に帰ってこない辺境伯よりも怖い存在であるため、逆らえないでいる。

 辺境伯からしても解雇したい存在ではあるが、仕事自体はしっかりしている上に簡単に替えの利く人材でもないため行動に移せないでいる。ただ、このまま過ごせる訳でもなく、トーアの報告により解雇に至った。

 解雇後は生まれの実家に戻ったとされているが、辺境伯家に不利益をもたらしたという事態から、巡り巡って国へ対する反逆とみなされ現在は国の牢獄へ入れられている。



・レセンダル伯爵


 グシスと共謀して辺境伯を貶めようとしていた貴族。2代ほど前は侯爵だったが王宮での失敗、さらに自領の運営に失敗し、伯爵位に落とされている。状況が改善されていたいため近々他の者を当主に挿げ替え、貴族としての地位を剥奪されるのではないかと言われていた。それを回避するために、辺境伯に存在しない不正をでっち上げ、それを暴いた功績で自身の株を上げようとしていた。

 結果、自身は処刑されることになった。後釜に他の貴族家から来たものが就くことになり、噂が現実のものとなってしまった。

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