第6話 【ネタバレ注意】ベターハーフについて

 ベターハーフ、我が善き片翼、そのまんま、ですね。


 この「片翼」が、「誰」にとっての「誰」のことなのか、は実をいうと明確ではありません。


 主眼を佐和子さんに置くと、本来は行方不明中の夫になるはずなんですが、「鏡の奥の」をどう捉えるか。


 「鏡に映った」だと希和子さんになるけど、「鏡の向こう」だと、希和子さんの側にいるかもしれない夫、と言うことにもなる。

 そして主眼を希和子さんに置くと、まあ、これは佐和子さんのことかな。


 希和子さん、次の章で佐和子さんのことを「私の憎い片翼」って言っちゃってますが、ここに「片翼」の矛盾が生じてしまいます。本来なら、この章につけるタイトルを、あえて前の章につけたのは、単純にその意味ではない布石というか、実はちょっと次の章に、ミスリードとしてこのエピソードを入れたわけで。



 ……ってな感じで、サブタイトルに謎かけしてみました。


 ここら辺の章から謎解き、というか真相に近付くわけですが、ぶっちゃけハルが見てきたものを警察で証拠集めして固めちゃえば、事件そのものは一応解決するわけですよ。厳密に推理とかでないので、この小説を「ミステリー」枠に入れてもよいのか、実は悩んだわけなんですが。

 どっちかと言うと「ホラー」なのか? でも、そこまで怖くないので。

 いや、怖い部分もありますけどね、主にサイコな部分で。


 で、そのサイコな部分のネタばらしは最終章に引っ張られていくわけです。ここでこのサブタイトルの意味を考えてもらうと、「誰」主眼のタイトルなのか、分かるかもしれません。



 そういう意味では、「エトランゼ」も、サブタイトルを謎解き思考でつけています。


 いったい「異邦人」は、誰を指しているのかな、とか。「異質なもの、ふさわしくないもの」として捉えれば、まあ、希和子さん(の思念)でしょうか。


 



 

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