アビス・イン・アビス

書い人(かいと)/kait39

第一部 ノア社と宇宙警察と海賊

前章 よくある、災厄

 安上がりな仕事だった。

 とある人物から核ミサイルの供与を受けた宇宙海賊たちが、さる安物の宇宙ステーションを襲撃する依頼を受けたのだ。

 上物の宇宙ステーションなら、周辺一帯のワープ妨害装置や攻撃を遮断する電磁防壁などによる防護システムがあるが、ここのものは最低限。

 襲撃を行う相手としては、お粗末なものだった。

 宇宙海賊にとっては、金さえ貰えればそれで良かった。良心の呵責は元からない。

 ミサイル発射管が開き ゆうに三〇〇発近いかという核弾頭ミサイルがその宇宙ステーションを攻撃する。

 ステーション周辺からも、迎撃用のミサイルが飛び、レーザーが放たれる。

 撃ち漏らした核の炎により、宇宙ステーションの一つが崩壊へと向っていった。

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