ゆったりするのもいいじゃない

YOZORA

第1話 主人公

 最初に言っておこう。これは、普通の高校生の話である。


 俺、小柳真人はもうすぐ高校生となる。

 俺、小柳真人はいい人だと言われる。

 俺、小柳真人は自分の目に写ったものを大切のする。

 俺、小柳真人は........--。


 俺、小柳真人は自分のことをしっかりと理解しているからこそこんなにも自分を言葉で表せる。

 高校生になるまでの春休みのこの期間、同じ中学校だったみんなは何をしているのかは知らない。確認する方法はこの時代沢山あるが、俺はあえて確認することをしていない。


「くぅー! いい季節になってきたな」

「もう、お兄ちゃん! お腹出てるよ!」

「あぁ、すまん実里。 気持ちいいから油断してた」

 実里は、今年から中学一年になるしっかり者の妹だ。俺と違ってやることはしっかりやるタイプで将来に心配がない。

「お兄ちゃんはのんびりしすぎなんだからしっかりしてよねー。最近あったかくなってきたからふにゃふにゃしてるよ?」

 いいじゃんかなあ? 最近つくしも生えてきて、いよいよ春がきたって実感が出て嬉しいんだよ。っとは本人には言わない。

「実里も俺の思考が理解できるようになったらわかるよ」

「? ふーん」


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