私の大切なもの

キザなRye

全編

私には大事にしなくてはならないものが二つある。

彼女と友人だ。

彼らの私の生活への影響力は並みではない。

この二つに支えられているからここにいると言っても過言ではない。

失ってしまったら私の人生が今後どうなるのか分からないし、どう転んでも助け舟は出てこない。

必要不可欠でしかないと私は思う。



彼女は私の細かい変化や表情から心理状態や思っていることをみ取ってくれる。

ある意味では私には隠し事ができない。

どれだけ隠していても彼女の手にかかれば朝飯前に理解されてしまうのだから。



かつて彼女とはこんなことがあった。

私の気持ちが下を向いていてそれでも周りには自分は元気だよ、絶好調だよ、と振る舞っていたことがあった。

周りには私の気持ちが下のベクトルであることなど気付かれる気配もなく、今日も調子良いねと私の望んでいた通りに受け取ってもらえていた。



しかし彼女は違っていた。

私の笑顔を見て


「どうしたの、何か嫌なことでもあったの。」


と声をかけてきた。

同じ笑顔で楽しそうとまで言われた笑顔で、である。


「ああ、それは悲しいよね。

そんな自分一人で抱え込んじゃいけないよ。」


私は何一つ話はしていない。

あくまでも彼女が私の表情とかその他諸々を見て判断しただけである。

抱え込むなと言われても彼女は全部知ってるし、ベクトルが下向きなだけで完全な下向きとは言えない。

こういう少し大袈裟な部分もある。



彼女に私の心情を読み取られることはそれほど嫌なことではない。

寧ろ、こうやって自分で抱えていたようなものがスッと抜けていくような、そんな感覚がする。

だからと言って隠し事を増やしたいとかそんな病みへの道に足を踏み入れていない。


何はともあれ彼女に生かしてもらえているような心地がするので彼女がいないと多分私の人生は狂っていたのだろう。


友人は趣味が共通で知り合った相性の合う必要不可欠な人物だ。

私の趣味は占いでその友人とは互いに切磋琢磨している。

占いを信じないという人が世間には多くいて占いを生活に取り入れてもらうためには何をすれば良いのか、とよく話をする。

私も彼も一般の会社員なので占いで生計を立てているわけではない。

あくまでも趣味レベルの占いである。


一度彼とはこんなことがあった。

私があまり手を出していなかった星占いに手を出そうとしていたときだった。

彼は数回やったことがあったので彼に聞きながら見様見真似でやっていった。

思うように占いができなくて通常の仕事もあったので諦めようと私が思ったときに彼の励ましの言葉と占いに対しての彼のポリシーを聞いたときにこの人に出会えて良かったなと思えた。


ここまでちゃんと考えるべきなのかは私自身でもよく分かっていないが、共通の趣味を持ち相性が合う彼を失うことは私の生活サイクルから見てそう簡単なことではない。

やはり彼がいてこその私の生活だと感じる。


彼女という私の心情の者と友人という占いに関しての仲間、あまり出会うことのないような個性的な、独創的な、奇跡的な人達によって私は生きてきたし今後も生きていく。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

私の大切なもの キザなRye @yosukew1616

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

同じコレクションの次の小説