第2話 2002/2



[林檎と王]


我が家のささやかな庭にも野鳥がやって来たりもする。

山が近いせいか(だからペンネームも山岡にしたのだが

脱線、失礼)ヒヨドリ、ムクドリ、スズメ、セキレイ、カラスといった

シティ派の鳥?に加えて、ヤマバト、モズ、メジロ、ウグイス、

アカハラ、などのカントリー派も賑やかだ。頂き物の饅頭とか

林檎、蜜柑などを庭木の枝に差しておくと、代わる代わるにつつき回って

見ていて飽きない。いつも賑やかなのはヒヨドリで、甲高い鳴き声と

パンクロッカーのようなヘア、スタイルで梢を飛び回っている。

鳥たちにもテリトリーがあるのか、前の鳥が食べ終るのをじっと

他の木で待っている。たまにせっかちな鳥もいて、順番を乱そうとすると

必ず追い払われたりする。ムクドリ、スズメはだいたい団体

モズ、メジロとかは数羽、ヒヨドリは大抵一羽だ。


鳥にもいろんな性格のやつがいて面白い。ヒトにも鳥みたいな奴もいて

鴛鴦夫婦、とか、軽鴨親子、とか。サラリーマンは月給トリ、太った奴は

相撲トリ、来ないでほしい借金トリ、忍者にもいたハットリくん

ウイスキーならサントリー、裏日本ならトットリで?..赤ちゃん運ぶコウノトリ..


「コウノトリのご機嫌に任せて」といっていた皇太子家にも

ようやく舞い降りて来たようで、巷ではやれ女帝生誕だの、継承順位だのと

何かと気苦労なことだと思う。大体妃殿下もやれ懐妊だの、兆候だのと人権無視の

報道によく腹を立てないものだ、と思うが。まあ、旧来の伝統であるし。

もともと天皇教時代の名残で、象徴たるものはラジカルであってはならない

というのがあの手の宗教の鉄則である。大体俗物は教祖になりたがり

自己顕示が出るから途端に周囲から総すかんを倉って失脚する、のが決りだ。

そこへゆくと天皇家はそのあたりが流石に伝統が長いだけの事はある。

しかし、ちょっと見てみたい気もする。過激ヒロイン、女王様。

「ざけんじゃねぇ」

と叫びを上げて。新宿を革の黒服で闊歩する。歌舞伎町の女王 、林檎ちゃん。(笑)


以前住んでいた碑文谷に、近所に公園があった。

その頃はこの辺にも木造アパートがいっぱいあって売れない芸人とか、

噺家崩れとががこんなアパートに屯っていて、よく、公園で芸の稽古とかを

していたりするのを見かけ、時々冷やかしで声を掛けたりもした。

そのうちに売れたりする奴もいた。コミックソングで一時人気だった王様もそのひとり。

はて、今はどこに住んでいるものやら。もちろんこっちの事なんて覚えてないだろうけど。



今回は王様、について。


-------------- ディスク視聴----------------




[深紫伝説/王様]FHCF/2253 CD

まあ、冗談音楽の類いだが、割とフラット、コンパクト

にまとまって聴きやすい。

普通のロック。

ヴォーカルを変にいじっていないからリアルで面白い。

ユニークなのは歌詞。

直訳、とはいっても例えば

gonna fool about ain't saveを「宵越の銭持たず」

と言ったり、面白い。

ジャケットが大笑い。載せられないのが残念だ。






[春の祭典/ヒューバート・ロウズ]K25Y-9507 CD

これはちょっと前に流行った純金CD。

音がいい、と評判だったが.

今回は表題に因んでトラック1、[パヴァーヌ]。

アナログ・マスターだけあって歪み感は少ない。

滑らかな音で聴きやすく、だが少々アタック感に欠ける。

古い録音なので、打楽器などはやや歪みっぽい。

何せ1971年、30年も前にしては見事なものだ、

と思う。

このヒューバートは、フルート奏者で、日本でも

1970年代のクロスオーバー・ブームの頃に

人気が出た事があり、当時、CBS(だったか)

から「say it with silence」というリーダー・アルバムが出

当時の若者に軽快な演奏が人気だった。

その後、弟ロニー、妹エロイーズ、と続いてスターになるが

元はこのあたり、CTI(クリード・テイラーというプロデューサー

のレーベルだが)から始まっている。

クラシック&ジャズ、という流れは例えばオスカー・ピーターソンとか

もそうだし、その後のボブ・ジェームスなんかもこういう雰囲気感で

FM東京とかで人気が出た。

今回のディスクもクラシックのジャズ的演奏。

こういうのを当時クロスオーヴァーとか言っていた。




[太陽にほえろ!全曲集]POCH-1041 CD

どうしてこれが?と思われるだろうが..

「殿下のテーマ」が入っているからだ(笑)

この、太陽にほえろ!を知らない方はいないと思うが

今思うと不思議なタイトル。多分太陽族あたりから取っている

のだろうが。(今では兄貴の方が時の人だが)

さらり、フラット、コンパクトな音。

いかにも無難な造りだが、こういう方が劇伴にはよい。

変に音楽が良い音だと、TVの画像がみずぼらしく

見える。

音はともかく、演奏そのものは当時の事だから

コンピューターなどは無く、

地下のクラブか練習スタジオで聴いているようなけれん味のないサウンドで、

当時流行の8ビートロックで、サックス・リードが

入っていたりしていかにも懐かしい。






[The world favorite piano pieces / Walter Hautig]BVCC-5097 CD

いわゆる名曲集で、良く出ている廉価盤もの。

このディスクは割と録音も新しく(DDD、'84。)

ピアノ一本なので雰囲気感も良く出ている。

ボリュームを上げると空調の音が聞こえたりするのも

ちょっと楽しいところ。楽器は中央付近に定位して

残響がきれいに出る。

スピーカー・マトリックスで聴いても逆相感は強くない

ので、割と単純なマイク・アレンジのようだ。

今回は主題に因んでトラック14「英雄ポロネーズ」、

トラック12「主よ、ひとの望みの喜びよ」あたり。

演奏そのものもアクが強くなく、聴きやすい。

普及盤としては適当かな。

割と低い方は盛りあがっていないが、だら下がり。

高い方はきれいに伸びているので、右手のアタックは美しく、

メタリックにはならず、良い感じ。


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