山岡鉄男のディスク漫談

第1話 2001/11

どう咲きゃいいのさこの私。心に花を咲かそうよ。

咲いてみてればすぐ散られされて。

と、花は良い兆しのたとえに使われたりもする。

死んで花身が咲くものか。花も身もある人生よ。

てな具合。明るいキモチで生きてれば

そのうちなんとかなるだろう。ポジティブシンキング。

これはやっぱり本当かもしれない。心に希望を持ってれば。

いつも心に太陽を、くちびるに歌を。

アマ・ポーラ、かわいい花よ...と歌っていたのは古き良き時代。

シスターに恋した男の歌か？尼・ぽーら。

パンドーラの函から最後に出たのは望みだが

これのおかげで楽しくもありつらくもあり。

なーに長い人生、高望みさえしなければ

そこそこ上手くやっていけるさ。

狭いながらも楽しいわが家、いつでも夢を、

見ろよ青い空白い雲。

あたしの人生暗かった、と歌った藤圭子も、

夢が夜開いたおかげで、娘が有名になってて明るくなれた？

わが家の猫の額くらいのささやかな庭にも花が咲き..

なんて書いていたら、近所の野良猫が我が物顔で通りすぎてゆく。

こら、おまえの庭じゃないぞと言っては見ても猫に言葉が分かる

筈もない。だいたい、猫にとっては他の猫がいなければ自分の土地なのだ。

人間みたいに権利だの税だのと、くだらん決りに、猫、どこ吹く風。

猫の方がどうやら一枚上手だ。

今回は[花]の曲を集めてみた。

-------------- ディスク視聴----------------

菊池志穂/ひまわり(WDCN-30022) CD

1998年。表題曲は９曲目。

割と低域を整理しているのでそのためかハイ寄りに聞こえる。

ボーカルは小さくまとまりキュート。

生ギターで伴奏される部分のボーカルが聞きもの。

ちょっと古い感じの、バカラックの時代というかあの頃のイメージが快い。

ミルト・ジャクソン/サンフラワー(LAX-3182)AD

ひまわり、と来たところで。sunflowerとはひまわりの

ことだが向日葵、という日本語と同じような英語名なのは

ちょっと面白いと思う。さて、演奏はというと１９７２年録音、

サイドメンはフレディ・ハバード、ロン・カーター、

ビリー・コブハム、というあたり。ＣＴＩのあの音がしているが

演奏そのものは面白い。オーディオ的に聞くというより

ジャズ好きが懐古に浸るレコードだろう。

チェリー・カラード・ファンク/コクトー・ツインズ

(COCY-6801)CD １９９０年

桜色で...というタイトルが目を引くが、

音楽はタイトル通り不可思議な電気音楽。

昔のドラッグ音楽を思わせる。音は、

シンセ多重に低音のフィメールボーカルが絡む

という構成で進むが、妙に声が生っぽく、深いエコーの

シンセと奇妙にマッチして雰囲気もの。

マルチモノらしい音像が中央付近に並ぶ。

胸いっぱいのマーガレット/岩崎元是＆ウインディ

(H33K20075)CD　１９８７年

最近、スペクターサウンドっぽい編曲で一部のマニアに

人気の岩崎のバンド時代のディスク。

井上鑑プロデュースという事だからまるっきりナイアガラ

あたりと無関係でもなさそうだ。この録音はどちらかというと

スペクターというよりも海岸もののような感じ。

fレンジを詰めて薄く、Ｄレンジも少なく、ハイ寄り、

というＦＭラジオ的な音造り。

Wondering Roses /Ramsay Lewis

１９７７年。当時、フュージョンブームで売れたＬＰの一曲。

ＥＷ＆Ｆとの共演でも話題になった...

というと企画もの的に思えるかもしれないが、

この人はもともとジャズ・ファンクで独特の味を持っていた

ピアノプレイヤーなので、たまたまこの頃流行った音が彼の

スタイルに合っていたという事なのだろう。

Inside Ramsay Lewis(2CA-60018)AD あたりのプレイでも既に

このスタイルは完成していることからもそう思える。

さて、このディスクでの演奏は当時のメロウサウンドっぽく

ソフト。フルートにエコー、そこにちょっと刺激的なシンバルの音、

妙に粘るベース、軽やかなエレピ、

と懐かしのジャズファンクサウンド。

当然アナログ録音だが。、中低域の厚みはＣＤではちょっと

さっぱりと聞こえてしまうのでこれはＡＤの方が面白い。

昔懐かし品川無線のグレースF8Lあたりがお似合いな感じ。