第14話 吸血姫さんは少女に出会う。
ゲーム実況を始めてさらに3ヶ月が経って登録者が10万人を超えた。5万人は意外と早かったけど10万人の壁は意外と厚かった。
それでも合計4ヶ月で10万人なんて異例としか言えないが……
10万人を超えたら配信を始めると視聴者さんに伝えてある。まだ不安があるのですぐに始まるわけではないが。
実況中でもたまに失言してしまったりすることがたまにある。500年も生きているのにおかしいだろと思うかもしれないが、私の場合は対面していると精神年齢は高いと思うけど1人になるとやけに抜けている部分がある。
実際に対面していてもチヤホヤされたいとか優越感に浸りたいとか表に出さないだけで思っているのでこれが本当の性格なんだろう。
吸血姫生活をしていると奴隷にしようと捕まえに来たり新種だから人体実験したりとか人前では結構張り詰めてたなぁ。
まあそれは置いといて今日は1週間ぶりのクラブなのでテンションが高い。
営業者さんの都合で1週間やってなくて行けなかったのと、他のところに行くくらいだったら待った方がいいなぁって感じで行ってない。
「久しぶりだね、お姉さん」
「久しぶりね、あなたに会いたかったわ」
このお姉さんは地球で初めて吸わせてもらった人で、すでに5回くらいは吸っている。私に見た瞬間目をトロンとさせて返事を返してきた。
私を認識すると吸血時の記憶を取り戻すのでその時の快感を擬似的に感じるのですぐに興奮して虜になるのだ。
普通の吸血鬼だったら血を吸う時は痛いだけなのだが、私の場合は上位種だからか分からないが強い快感を伴う。
記憶を消しても2人でいた時間は性的行為をしたと認識しているので男の人では満足できないと勘違いしてレズになる人が多い。
なんて罪深い種族なんだ……
「あっ、ん……んあっ」
「ちゅぱっ!――今日もありがとね。せっかくだし連絡先交換する?」
「え?いいのかしら?そしたら益々あなたから離れられなくなってしまうわ」
「全然いいよ!お姉さんはお気に入りだからもし何かあったらうちに来て良いよ」
「うふふ、クラブなんか行くのやめてあなたの家に通ってしまうわ」
雑談をしながらイチャイチャして結局30分くらい経ってから帰ることになった。
帰り道に駅のベンチに無表情で座っている少女を見つける。よく見ると美少女だが顔にはアザがいくつかあって虚な目をしている。
私は目の前の美少女がこんな姿になっているのに我慢がならなくなって声をかけることにした。
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