アニオタでも、イケメンで運動神経抜群なら、異世界でも人生謳歌できますよね??
里仲光
第1話 は?
上井信也、イケメンで運動神経抜群の17歳。東京生まれ東京育ち、生粋のシティーボーイ。実はかなりのアニオタで、今日は家で着ていたキャラTの上にユニクロのパーカーを羽織ってコンビニに出かけた。
安くなっていたカップラーメンを手に取り、金を払って、コンビニの前の横断歩道を渡った、はずだった。
「はぁあああああああああああああああああああああああああああ?????????????????????????」
という大声を出すことが出来たのは、意識が復活してからかなりの時間がたったころだった。
とは言っても、その間に日が暮れたとかそういう次元の話ではなく、長くても数分くらいなんじゃないかと俺は思う。しかし、時計を見ながら時間を計っているわけではないから、実際のところ何分間だったのかなんて詳しいことはわからない。
まぁ、そんなことはどうでもいい。
「いったいどこなんだよ、ここは。」
大声を出すことはデメリットしかないのでは、と思った俺はさっきよりもだいぶ小さな声でそう漏らした。いわゆる独り言である。
「天才は思考を整理するために独り言が多くなる」なんて、どこの誰が調べたのかもわからない都市伝説まがいの言葉があるが、「独り言ってすげぇな。」と俺は思った。
目の前の景色から情報を整理するには、無言ではどうすることもできなかったのだ。
俺の目の前には草原が広がっている。所々に大きな木が生えていて、ずっと向こうには山が見える。テレビでよく見たアフリカの草原に似ている。
「そういや、「ンゴロンゴロ保全地域」ってのがタンザニアにあったよな。」
誰もが小学生の時にやったであろう、「しりとりで、”ん”から始まるやつ見つけたら強いんじゃね?」という意味不明なやつで、他にはアフリカのどっかの国の首都で「ンジャメナ」というのがあったはずだ。知らんけど。
「とりあえず、腹減ったな。」
ついさっき、コンビニにカップ麺を買いに行ったはずだが、そんなものはどこにもない。持っていたところで、火も水もないのだからそのままボリボリ食うことになっただろうけど。
「あの木の木の実とか、食えるかな。」
「腹が減っては戦はできぬ」とも言うしな。「なぜこんなところにいるんだろう」とか「ここは一体全体どこなんだろう」とか、そんな疑問はいったん放っておいて、俺は五十メートルくらいのところに見える一番近くの木に向かって歩くことにした。
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