第134話 白井ムク『じつは義妹でした。』

 白井ムク先生作、千種みのり先生イラストのライトノベル『じつは義妹でした。』3巻を読みました。

 ネタバレを含みながら、感想を述べてみたいと思います。

 同作を読もうと思っている方はお帰りください。すみません。


 さて、私が『じつは義妹でした。』を読んで強く思ったのは、こういう甘々な胸キュン小説を書ければ、ラノベ作家としてデビューできるのだろうな、ということです。

 本作のストーリー骨子を説明します。


 父が再婚しました。

 義母が連れてきた子どもは、顔立ちの整った義弟でした。

 主人公は義弟と仲よくなっていきます。

 しかし、一緒にお風呂に入ったときに、じつは義妹だったことが発覚。

 その後、ふたりは両想いになり、ひとつ屋根の下でイチャイチャするようになります。

 淡い恋愛関係ですが、手を恋人つなぎしたりして、ひたすらイチャイチャしつづけます……。


 はい、こんな感じの物語です。

 義妹は文章でかわいく書かれている上に、イラストでとんでもなく美麗に描かれているので、実に萌える作品になっています。


 妹ものはいまやラノベのジャンルのひとつになっていますが、『じつは義妹でした。』はその王道を行く作品のひとつです。

 兄妹甘々です。

 3巻から引用します。


 ーー私小説じゃないのか、それ?

 赤裸々に俺たち兄妹の関係を綴ってみただけじゃないのか、それ?

「ねえ、面白いと思う?」

「まあ、悪くないんじゃないかな……?」

「じゃあどうしたらもっと面白くなるかな?」

「えっと……その女の子を好きになったべつの男子が出てきて兄と取り合う、とか?」

「そんなの要らない」

「じゃあ、兄には恋人がいて、ドロドロの三角関係に……」

「そんなのも要らない」

「だったらーー」

「女の子が喜ぶお話は、最終的に王子様と結ばれることだよ? だからねーー」

 すると晶は俺の腕をとった。

「ーーハッピーエンドしか勝たん! ってことで、兄貴がその女の子が幸せになる物語の続きを考えてみてよ」


 引用終わり。

 文章は流れるようにストレスなく読めて、漫画よりも軽いです。

 これぞライトノベル!

 ラノベ作家をめざすなら、こういう小説を書くべきですね。

 きっとデビューできますよ。

 そしてかわいいイラストをつけてもらいましょう。


 私にはこんな甘々ラブストーリーを書くのは無理。

 書きたくても書けないです。

 延々とイチャイチャした日常を書きつづけるのは、けっこう大変だと思います。

 それができると思う方。ラノベ作家をめざしている方。

『じつは義妹でした。』を読んで参考にしてみてください。

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