第4話 上野の森美術館VOCA展2021
エピソードタイトルの美術展を見に行った。「現代美術の展望ー新しい平面の作家たち」という副題だ。
僕は現代美術がよくわからないが、興味がある。同時代のアートを楽しみたい。村上隆さんの五百羅漢図展や東京藝大の卒業展などを見たことがある。
小説「ピカソになれない私たち」や漫画「ブルーピリオド」を読んでいる。
というわけで、何か感じられればいいなと思って、上野の森美術館へ行った。ここに感想を記すが、僕は素人であるので、きちんとした美術評はできない。あらかじめお断りしておく。
また、何か感銘を受けるか、好きだと思った作品について書くつもりだが、意図せずに画家の方に失礼なことを書いてしまう可能性がある。万が一この文章が目に入り、気に入らなかったとしても、素人の戯言だと思ってご容赦いただきたい。まぁ、見ることはないと思うけど。
児玉知己さんの「COSMOS」はカラフルなイソギンチャクの群生に見えた。ただ色鮮やかなだけではなく、筆致が美しい。
榎倉冴香さんの「東京ガールフレンズ2020」は水色で描かれた女性裸体群像だが、気になる作品である。なぜ水色でなければならなかったのか僕にはわからない。
尾花賢一さんの「上野山コスモロジー」はVOCA賞作品だ。インクで描かれたモノクロ画で、漫画の技法が使われている。僕はたまたま諸星大二郎さんを思い出したが、もちろん模倣ではない。たぶんこの人が漫画を描いたら買うだろう。これは褒め言葉である。尾花さんがどう思うかわからないけど。
設楽陸さんの「SAKURA road」は僕に吉田戦車さんを思い出させた。これも褒め言葉である。意味不明だがユーモラスな絵が快感だ。
八木佑介さんの「共喰い」は電柱と電線を一点透視法で描いている。一見モノクロに見えるが、赤が使われている。このモチーフは好きだ。
桑原理早さんの「私の中の彼女」はセーラー服と裸体の群像だが、画面全体が見ていて飽きず、カッコいい。すべての女性の目が虚無を見ている。
青原恒沙子さんの「humos」は完全にわけがわからず、意図不明だが、惹かれた。〈製作途中の本作の横に置かれていた小さな試作を指して青原さんは言った。「最初に描いたものなので初動は感じられますが、いい絵を描こうとする意識が勝っていてだめですね」〉と解説がある。禅なの?
永田康祐さんの1/1000倍速映像作品「超低速」は僕にはアーティストから物理学者やSF作家への挑戦状のように感じられた。
弓指寛治さんの「鍬の戦士と鉄の巨人」はカラフルで迫力ある満洲鉄道の蒸気機関車と跳ね飛ばされる人間たちを描き、侵略を表現している。VOCA佳作賞。鍬の戦士が地に埋もれながら逆襲しようとしている。
永畑智大さんの「レーズンラムと申します 5話」は全力で不条理ギャグをやっているように見える。絵の中に「犬の散歩してる時に偶然出会った彼といい感じになりたかった 犬アレルギーだけど ワンチャンあったかも犬だけに・・・」というセリフが書かれている。ねぇ、これギャグじゃないの? 何か深い意味があるの?
見終わった。エロカッコよかった桑原さんの作品に「みらい賞」を、いたずら描きのミミズのように見えたが、強い磁力を持っていた青原さんの作品に「つりびと賞」を贈呈する。いらないと思うけど。
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