『エレクトリアコード』まとめと考察

紅茶党のフゥミィ

『エレクトリアコード』まとめと考察

【エレクトリア】とは


 新世歴88年ひときわ人気の商品がある。

 『Electrical-Familiar』

 ――通称『エレクトリア』

 AI回路を内包する『コア』と呼ばれるパーツを中枢に作られた20cm台の人型多目的端末のことである。新世歴82年、作品世界での6年前に発表。自らの意志を持ち、人と変わらぬ感受性とあらゆる家電にリンクする利便性から瞬く間に普及。人間と共に行う競技『エレクトリアバトル』も行われるようになった。


 エレクトリアは『近衛インダストリアル』が

製造、販売元である。エレクトリアに関する条例やルールの制定から『ラクロアール』といったエレクトリアと共に楽しむ複合ショッピング施設の運営まで、近衛グループは手広く行っている模様。


 エレクトリアを所有する人物を『オーナー』または『マスター』と呼び、エレクトリアの調整を行うことは『セットアップ』、『セッティング』と言う。

 エレクトリアは自らをオーナーの所有物だと思っている。

 様々な理由によりマスターを失ったり、オーナーの元から自らの意志で去ったエレクトリアは野良エレクトリアと呼ばれ、問題となっている。エレクトリアの最低限の権利は近衛インダストリアルによって保障されているため、その保護下に入ることで新しいマスターを探すことも出来る。ただ、今は亡きマスターへの想い等から野良エレクトリアの道を選ぶ者も少なからず存在する。


 エレクトリアは内蔵電源で活動しており、ネットワークを介した自動給電システムにより電力を得ている。これは恐らく、特定のエリア内に位置していれば無線給電が自動で行われるということだろう。飲食物からエネルギーを摂取出来るかどうかは不明であるが、人間のサポートを行う上で嗅覚や味覚が必要になる場合も想定されるので、風味自体は分かる可能性がある。


 エレクトリアの意志を司るコアの設計は『伊勢』博士によって行われた。通常時、エレクトリアは内蔵電源の関係で一定の出力しか出すことが出来ない。活動限界もある。だが、コアに感情をエネルギーに変える試作技術が用いられており、時に基準値を超えた出力で活動することもあるという。

 

 エレクトリアには通話機能があり、携帯電話としても機能する。また、完全防水であり、水辺での活動も問題無い。ネットワークに接続している関係でデータベースの更新も行うことが出来る為、買い物時のセール情報、道案内などオーナーに必要な情報をその都度伝えることが出来る。


 コアさえ残っていれば、他の部分が失われていても近衛インダストリアルにて完全に修復することが出来る。また、野良エレクトリアの例を見るに、資材さえあれば自分達でもある程度のメンテナンスは出来るようである。


 エレクトリアに関するトラブルや事件が発生した際には『近衛インダストリアル特別自警統括部』が動き、鎮圧に当たる。警察から限定的な権限を移譲された自警組織と本編中では語られており、『エレクトリア特別条例』に基づいて、エレクトリアに関わる事件等の際には現行犯逮捕も可能である。


 エレクトリアの登場により人間社会は変化していき、個人用ならず、地域のインフラやネットワークの基幹システムとも密接な関係となっていた。この状況をエレクトリアへの依存とし、警鐘を鳴らすためにテロ活動を行ったのがエレクトリア生みの親の一人である『乾コウ』博士とʀoM(Rejectioners of Machina:エレクトリア排除を訴える集団)の実働部隊であった。結果的に乾の企みは挫かれたが、再び同じような事件が起こる可能性は十分にあり得る。しかし、主人公とそのエレクトリアが見せた可能性は、ヒトとエレクトリアの目指すべき道標となるのではないだろうか。


 エレクトリアは戦う際に戦闘モードへと移行する。恐らく、装備のセーフティを解除するのだと推測される。また、ロングレンジ索敵モードへ移行すると、センサー感度を最大に出来、目に見えない遠くの電波なども探知することが出来る。目を瞑り、動きも止めなければならないため無防備になるのと、各センサー感度が最高になっているため敏感過ぎることが、このモードの弱点と言えるのかもしれない。



【用語・登場人物】(※《》内は考察含む)


 ラクロアール:複合ショッピング施設。

《Myエレクトリアの「エレクトリアを持っている人は買い物に来るし、持っていない人はエレクトリアが欲しくなる。」という言葉から推測すると、エレクトリアは全員に普及しているわけではないらしい。現実で言うところのペットくらいの普及率?》


 バトルスポット:無人エレクトリアと仮想バトルをすることが出来るスポット。各地に存在する。勝利することでラクロアール《その他の場所?》で使えるポイントを入手することが出来る。《このポイントがゴールドだと思われる》

また、この世界にはエレクトリアショップが存在する《武装はここで買っている可能性が高い》。

自然公園にもバトルスポットが設置されている。


 アリーナ:《有人エレクトリアとはアリーナで競い合う? バトルコード等を考えるに恐らくはネット上の他エレクトリアのデータと戦っていると思われる》


 エレクトリア用のリボン:パートナーとの大切な思い出。


 シオン:主人公の幼なじみ、ライバル。パートナーはタマ。タマはシオンのことを「ボス」と呼ぶ。シオンはタマを相棒だと思っているが、タマにスパルタ特訓をして逃げられる。


 タマ:「にゃ!」


 町内トーナメント:主人公がシオンに勧められたトーナメントで、開催場所は近隣の公園。近衛インダストリアル公認の大会公認、非公認も含めて大会が行われている?

出場にはバトルスポットでの戦績が一定数必要色んなバトルスポットを回ることで運動不足解消が目的?

《「ルールは普段のアリーナと同じ……」という発言があるため、近衛インダストリアルが定めたルールに則ってバトルしている模様》


 近衛インダストリアル:エレクトリアの製造、販売元恐らくエレクトリア自体の開発は近衛理研

ラクロアールの運営やエレクトリアに関する条例等を定めたのも近衛インダストリアル。

内部には所属チーム《部署や部門、子会社、グループ企業》が存在する。


 水原ミカ:近衛インダストリアル特別自警統括部に所属。水着は大胆。パートナーはセレナ。


 セレナ:ミカのパートナーであるエレクトリア。

《嫉妬するMyエレクトリアに対してセレナが言った「人のパートナーゆえに色々複雑ね ともあれ、あなたが心配するような事はないと思うから安心しなさい」という言葉。捉え方によってはミカさんアンドロイド疑惑が……!?》


 鴨川タツミ:夢は世界征服。ʀoMの実働部隊。後に乾に裏切られる。所有エレクトリアはエルシュオン。


 エルシュオン:鴨川のエレクトリア。一時的に乾に洗脳された。


 ʀoM:Rejectioners of Machina:エレクトリア排除を訴える集団。犯罪組織(黒ずくめ)に繋がっているらしい《犯罪組織と乾の実働部隊が完全にイコールかは不明》。エレクトリアに感情があることが恐い、持っている価値観の違いが恐いという人たちの集まり。


 ニーカ:野良エレクトリア《幸せになれたみたいで何よりです》。

《マスターの居ないエレクトリア同士で暮らしている、という点から、オーナーが居なくてもエレクトリアは活動出来ることが分かる》

《Myエレクトリアがニーカ達の居た廃倉庫群を知らなかった→データベース更新の際に情報が排除されたために載っておらず、ニーカ達はそれを利用して隠れ家にしていたのではないだろうか?》


 近衛理研:乾の所属している《していた?》組織。乾によって正規品でないパーツも作られている。エレクトリアの意識に干渉するハッキングシステムすら作成可能。スポンサーはʀoM。エレクトリアが開発された場所。


 乾コウ:エレクトリア開発者の一人。基礎設計を行った。テロ活動を行い最終的に行方不明。


 伊勢博士:エレクトリアの初期開発メンバーの一人。コアの設計を行った。「人とエレクトリアの間に強い絆が結ばれた時、新しい時代が幕を開ける」とはこの人の言葉らしい。乾博士のライバル。研究中の事故で消息不明。

《主人公は乾の古い有人に似ている→伊勢博士?》


 プロトタイプエレクトリア:エレクトリアが軍用品として研究されていた頃の試作品。パワー不足で不採用になった。自我は無く、制御不可能。修復型ナノマシン《リペアシステム?》が搭載されており、自力で再生する。動力はラボの大型ジェネレーター。


 エレクトリアコードとは、

主人公とエレクトリアという異なる種族が共に歩み、お互いに対する感情をデータ(知識)からホンモノ(経験)にしていく物語と言えるのではないだろうか。

 エレクトリアは大切な人の為ならば命を張れる。

 その想いが絆が力となったのだ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る