ガラケーのパカパカ
新吉
第1話
本日死海文書が発見されました。これで空白の部分が解明されるのではないかと期待が高まっています。さて次はお天気…え!?今入ってきた速報です。空から、あ、飛行物体から、う、宇宙人がやってきた、とのことです。今情報が入りました。現在宇宙人と交渉しているのは、先日お伝えした世界首脳会議のメンバーとのことです。会場の真上にやってきたということで、世界有数の警備ロボットも全滅。各国の軍隊が近くまで配備されています。我が国の総理からメッセージがあったようです。手出しするな、我慢のときだ。と…
臨時ニュースです。彼らはスマホとガラケーを探しにはるばる宇宙からきた、友好的な生命体と判明しました。総理が古いタイプのデバイスを愛用しており、頭の中に映像を流してきた、と。ガラケーはボタンの隆起、押しやすさ、パカパカするのが条件。スマホは画面が小さくても大きくてもダメ、成人男性の手のひらに収まるほどの大きさとのこと。こどもへの誕生日プレゼントに大量に探しているようです。いまだに見つからずメーカーもはるか昔に生産終了したものだと。リサイクルショップは数個ならなんとかなる、と答えています。皆さんのお宅に眠っていませんか。あればスタッフが回収に行きます。これがその画像です。
「本日お越しいただいたのは、いつもお世話になっている評論家のサトウさんです。足元お気をつけください」
「いや驚きましたよ、家の中メイドに探させてね」
「あ、それがスマホですね。覚えました」
「あとこれ」
パカッ
「あ!!それが有名な…ガラケー!!映像でしか見たことがない。これ触っていいんですか?」
「どうぞ、あとは宇宙人さんにあげるからね」
「ボタンの抵抗がかなりありますね」
パカッ
「開封するのも反動があります」
「折り畳めてこんぱくとだったんじゃよ、大昔はな」
「スマホ、も思っていたより大きいですね」
「そっちは落っことしたら画面のガラスが割れるからの、気をつけて」
「うわっそんな危ないものを普段から持ち歩いてたんですか?」
「保護ふぃるむを貼ってな。映像がきれいだった。昔は」
「サトウさんにお聞きしたいのですが、どうして壊れて使えないものを彼らは欲しがっているのでしょう?」
「わからない。だがわしらが持っていた頃もいろんなガラケーがあっての。スマホもそうじゃ。そこから自分のお気に入りを選んで、長らくともに過ごして。わしが捨てない理由は思い出があるからじゃ…あの頃はよかった」
そうして思い出を語ってくれました。私たちはサトウさんから寄付されたもの、全国から寄せられたスマホとガラケーを宇宙人に渡す様子を中継しようと思っています。今宇宙船の側にやってきました!
「ここは関係者以外立入禁止!」
「私たちはこれを届けに…」
「こっちで渡すから!ダメダメ…え?う、うわああ!!!」
「ど、どうしたんですか!?」
我々の目の前で、突然警備の男性が苦しんでいます!宇宙人の影響でしょうか!?安全を考慮してスパイカメラを搭載した箱だけ置いて行きます。
それを取りに来たのは
ぶつん
「あーバカらしい。どうせどっかの外人かロボットが戦争のための部品集めてるんだろ?なあ?」
「そうかもしれません。検索しますか?それとも調査しますか?」
「いいよ。それより歌流してくれよ」
「かしこまりました」
ロボットが流し始めた曲は一昔前に流行った曲。彼はぷかぷかと浮かぶベットの上でロボットの作ったご飯を食べながら、ニュースを閉じアニメを流し始めた。大昔のアニメで怪獣が街を破壊している。
ガラケーのパカパカ 新吉 @bottiti
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます