爆撃! バッテン高校のバカ共!
芳川見浪
第1話 なんとも困った話
皆さん始めまして、
早速前回のあらすじをしたいのですが、困ったことに1話で前回のあらすじを行うのは非常に困難な事に気付きました。いやぁこの世界には不思議な事がいっぱいあるんですねぇ。
――――――――――――――――――
私立バッテン高校は言わずと知れた普通の高校である。
嘘です。僕こと村上康平は一昨年に親友から教えて貰うまで知りませんでした。
生徒数も四千人程、進学率も就職率もそこそこ。敷地は都心からズレているので広め、至って普通の学校です。普通の学校としか思えない。
この日僕はバッテン高校の入学式を迎えました。至って普通の入学式を終えた後、教室で自己紹介をする事になりました。しかし困りました、いえ自己紹介が困ったわけではありません、隣に座る生徒についてです。
丁度彼の番が来ました。
「我の名はファラオである」
そう自己紹介した生徒は頭にツタンカーメンの仮面を被っていた。名は体を表すと言うが、ここまで表すとは思わなかった。
ファラオの自己紹介はあまりにも自己主張が強すぎて自分の自己紹介文が思い浮かびません。いやはや困りました。とはいえ、時間がすぎれば僕の番となる。
ここは何が何でもしっかり自己紹介して僕の事を知ってもらいましょう。
前の子が終わり、順番となりました。
「皆さんこんにちは、僕の名前は.......」
そこで言葉が詰まってしまいました。いやはや困りました。
先生も他のクラスメイトも何事かと僕を見ます。
「えと、どうしました?」
「はい先生、困ったことに名前を忘れてしまいました」
思いの外緊張していたようです。
「ところで僕の名前は何て言うのかわかりますでしょうか? 渡辺君!」
「いや知らねえよ! つかなんで自己紹介してない俺の名前知ってんだよ、初対面だろ」
あの渡辺君でも分からないとは、僕の名前は中々手強いですね。
「いやはや困りました。というわけで僕の名前は思い出せないので皆さん各自でググッて調べてください」
『そんな自己紹介ある!?』
クラスメイトほぼ全員から総ツッコミを受けました。
――――――――――――――――――――
入学初日は平々凡々にして限りを見せ、僕達はホームルームを経て帰る準備をしていました。すると僕のクラスに親友がやってきました。
「おっす康平! 帰ろうぜ」
「やあ親友じゃないか、ちょっと待ってほしい、今鞄にオニオンソースを入れるから」
「OK」
オニオンソースを入れてから僕は親友の元へ向かう。親友は「親友」とプリントされたTシャツとジャージという早くも着崩しを行っていたのだ。
「ダメじゃないか親友、制服はちゃんと着なきゃ」
ちなみにバッテン高校の制服は詰襟とブレザーを選べる。僕は今の時代に珍しい詰襟の制服を着用しています。この方が何となく身が引き締まる気がするんですよね。
対して親友はブレザーを着用してる筈が、もうこんなだらしない格好を。
「まあ硬い事言うなよ、俺だって好きでこんな格好してるわけじゃないんだ。愛してるからしてるんだ」
「そうなのかい? それは僕が悪かったよ」
「わかってくれて嬉しいよ」
「よしじゃあ親友、帰りに何か食べに行こう」
「いいねぇ、康平は何食べたい?」
「マーライオン」
そして僕達は教室を後にしました。
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