第23話 エイト・ユーアvs悪栄教
【エイト視点・湖】
「ここが、湖,名は精霊湖だったかな?」
エイトは精霊湖に来ていた。
「僕の特殊能力ユニークスキルは【全知全能】、【全能】を使うには熟練度が足りないけど、【全知】は使える。
【全知】を使えば自然を調べて,本来いないものをあぶり出すことも可能。」
エイトは聖剣を構えた。
「バレバレだ。悪栄教。」
そこにいたのは悪栄教司教ラウダスだった。
「勘のいいガキだ。だが、俺を見つけたのは死期をはやめただけだ。【魔司能力・透明化】」
悪栄教第69司教,C 伯爵クラス、か。
「《聖剣・炎の斬撃》」
エイトの剣から炎が繰り出された。
「超上級クラス!?」
だが、ラウダスの体は炎に当たらなかった。
「ふーん、透明化による物理無効、面白い能力だね。聖剣・《鏡花水月》《花鳥風月》」
炎、水を主体とした全体攻撃、どちらも神話級か。
「…?長い?……なるほど、俺の透明化が溶けるまで全体攻撃、つくづく厄介な野郎だ。」
俺の聖剣の技は魔力1で超上級クラスの魔法を放てる、コスパ重視の技。長時間戦だと、俺が有利ってことだ。
コイツの技,いつまで続くんだ。そろそろ魔力切れでもおかしくないな。
「仕方ない、次を出すか、【魔司能力・無意識支配】」
「?気配が…なくなって。グハッ!」
エイトはラヴダスに殴られた。
「…透明化?でもそんな気配はない……!無意識外からの攻撃!?いくら俺にも無意識はある、そこから攻撃すれば通る。」
また、殴られた。もう一度,もう一度,と。
「【必殺系】、ここまで厄介なのか…」
「そうだろう、餓鬼、俺の力にお前はひれ伏す、それだけだ!」
「…だが、必殺系、というには弱すぎるな。」
その瞬間、ラウダスの姿が実体化した。
「《聖剣・破壊二連一閃》」
「何を?」
「これは能力、攻撃、存在、全てを破壊する一撃、そして一撃目で能力破壊、二撃目で…」
剣がラウダスを貫いた。
「お前を殺す。」
「【悪魔契約解放】!!」
「俺に敵わないと見て、全力を出す。この状況での判断力だけは評価する。」
「舐めるな!【魔司能力・制限支配】!!くらえ!俺の最終奥義!【制限・全行動制限】!声くらいは聞かせてやるさ。苦しみを俺に見せろ!」
「キモいな。しかもそれで【制限支配】を名乗るか、しょうもない。【世界支配・展開する俺の世界】」
そしてエイトは歩き出した。
「お前!?何故動ける!?我の制限支配を何故!?」
「ここが俺の世界だから。」
「俺の世界?ふざけるな?お前は俺に…」
「《聖剣・破壊連撃一閃》」
そして幾多の斬撃がラヴダスを破壊し、ラウダスは絶命した。
「宝石は無し、ハズレか。仕方ない、主の元に戻るか。」
【ユーア視点・地底火山】
「暑!本当にここに悪栄教がいるのかな?」
「ねぇ、君、何でこんなところにいるの?」
そこに子供が話しかけてきた。
(子供?でも悪栄教のフード、E、役人、悪栄教98司教、油断はしない。)
「…君こそどうしたの?こんなところで、」
「少し探し物をしてるんだ。茶色の宝石なんだけど…。」
「やっぱり、計画に関わっているのね。」
「やっぱり?」
「君みたいな子供ならまだやり直せる、今すぐ悪栄教を抜けて学校に行け,」
その瞬間、子供の雰囲気が変わった。
「今、何つった、もう一回行ってみろや、ばばぁ、」
「貴方みたいな子供ならまだやり直せるって言ったの従った方が君のために…」
ー【魔司能力・禁句ワード“子供”】
「?何が。」
「【悪魔恩恵解放】【悪魔契約解放】」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!!
「地面が、揺れて!…な!?威圧が!」
「第94司教カーラム・ファルトバル、俺の名前をしっかり暗唱して死ね。クソババァ!【魔司能力・炎支配】」
カーラムから炎が放たれた。
「中級クラス!?《炎弾》!相殺して!」
ドーーン!!!
「《噴火》」
バーーーン!!!!!
「火山の噴火!?《加護・熱耐性》!」
マグマがユーアに直撃する。
「まだ、大丈夫、《水王・水龍の息吹》」
「上級も出せるんだ、《炎王・炎龍の息吹》」
ドーーーーーーーン!!!!!!!
「また相殺、師匠に教えてもらわなかったらまずかったね。」
「【魔司能力・寿命操作】《寿命操作・寿命吸収》【魔司能力・エネルギー変換】《変換・寿命エネルギー》」
カーラムに紋章が出て、能力が発動した。
「く……寿命が吸われて……。」
「《炎操作・炎龍の舞》」
円形になった炎がユーアを襲った。
「グハッ!」
「お前は子供扱いをした僕に負ける、無様なものだ。」
「仕方ない、全力で行かないと、負けるね。」
「全力?まだ上があるの?」
「うん、とっておきがね。…【思想現実】発動、《私の傷を治し、相手を超える水を出せ、》」
「治癒……そして、水。これは不味いな。《炎支配・炎玉》」
だが、水は炎を超えてカーラムに直撃した。
「やっぱり強いね。【思想現実】、言葉を放つだけで戦える。そして君は重症ってわけだ。」
(何故だ?悪魔になっているのに回復できない。どういうことだ?)
「崇拝する悪魔は【不死鳥魔・フェニカス】ね…、【フェネクス】の従属、【炎で回復する】体質、私の水は炎を超える。そう言ったわよね。それにフェニカスはお前を利用し、フェネクスを殺そうとしていると聞いたわ。」
「何!?フェニカス様がそんなことをする訳が!」
「契約…切れそうになってるじゃない。見捨てられたのかしらね〜。」
「黙れ!クソアマ!」
「アマ…か、それで、どうするのかな?もう一度言うよ、君みたいな子供ならまだ取り返しが付く、早く抜けろ、悪栄教を。」
「さっきから聞いてれば子供子供と、お前は俺のことを理解せずにそんなことを!……大人だったらいいんだな?【寿命操作】《変換・悪意エネルギー》」
するとカーラムは大きく、強くなった。
「《火法・煉獄の槍》」
火の槍がユーアに直撃した。
(避けられない。)
「見たか!これが俺の本当の力!俺が未来で得る力!お前はこの力の犠牲者、第一号になる!」
「寿命を使い大人になり,悪意変換で力を上げる。流石だね。」
「俺が使える最高級の技を見せてやる!《堕解・悪魔弾》《炎法・灼熱地獄》!!悪魔弾は崇拝する悪魔様の力を込めた悪栄教に伝わる最高峰の技!そしてその悪魔様にあった環境だと威力が上がる!」
「なるほど、君の場合、暑ければ暑いほど強い、ここはもともと火山、そこに灼熱を足して最強にする、か。君らしいね。《あの弾幕を被害無しで抑えて》、これで相殺できる。」
「そんなもの効かない!食らえ!この街ごと吹き飛べ!」
だがカーラムの願いは届かず弾幕は消えた。
「な!?」
「終わりだよ。《水閃》」
そして水がカーラムを貫いた。
「さあ帰ろう、師匠が心配だ。」
ユーアが去ろうとした時,声が聞こえた。
「イカセルカ、ココガオマエノハカバダ!《炎法・煉獄灼熱鳳凰弾》!!」
「…あんなクラスの魔法を君が撃てると思ってるの?答えはできない。君はそれを撃たずに死ぬ。」
「…ナニヲイッテイル、コノホノオニオマエラハヤカレテ……ア、ア、ア……。」
カーラムの炎がカーラム自身に直撃したのだった。
「自分が扱いきれずに炎を暴発させる。どちらが無様なのかしら……。」
それにしてもまた片言になった。凄い攻撃力、まさか、【暴走】は人にも起きるのか?そんなことが?
とりあえず今は魔力切れ、家に帰ろう。
そうしてユーアはゆっくりと地上へ帰っていくのであった。
ーーその少し後のこと、ひとりの男がカーラムの死体を見ていた。
「ほほう、案外役に立ったものだ。人の【暴走】も可能なのか。」
その男は【悪栄教第36司教シブラサス・グルーターバス侯爵】、魔獣の暴走を引き起こしている悪栄教司教のひとりである。
「だが、その暴走に耐えられる身体でないと暴発する。テロの手段として使えるかもしれんな。」
その男はニヤッと笑い、帰っていったのであった、
to be continued
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次回予告
第24話「防衛軍vs悪栄教」
悪栄教戦第二回戦!
世界最高峰組織「王国防衛軍」と世界最凶組織「悪魔栄光宗教軍団」の死闘が今、開幕する!
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