第11話 冒険者共同訓練


冒険者共同訓練ーーそれは冒険者ギルドによって行われる、ギルドメンバーとの交流会…という名のダンジョン巡りである。

3グループ、S級、A級、B級グループが用意され、その下の級の冒険者が本来挑戦できない様なダンジョンに挑める…

そして,自分よりも上の戦闘を観れる…最高の機会なのである。

……とエイトが教えてくれた。


「冒険者共同訓練…」


正直に言ってダンジョンは家のやつで十分だが,S級の戦闘を見ておきたいというのも事実…


「日程によっては、大丈夫です…」


ここで断るとギルドに目をつけられるというのもある。ここは受けておくのが正解だ。


「そうか!良かった!2日後の朝、ここに集合だ!」

「分かりました!楽しみにしておきます!」

「それじゃ!また今度!」

「はい!」


何とか円滑に進んだ様だ。


「帰ろうか…」

ーはい!


そうしてその次の日、【空島の地下】の第三層を攻略し,

また日が沈んだのであった。


ーA級昇格の2日後ー


白斗はギルドにいた。


「う〜ん,ナイトさんどこにいるかな?」


「あ!ハクト!今来たか!」


声のする方を見ると、ナイトと他に数人の冒険者がいた。


「あなたがハクトね。私はこのパーティーのリーダーのモアよ。」


モアと名乗った女はS級のカードと剣を持っていた。


「モアっちは剣士なんだよ〜。あ、私は聖女のララルだよ〜。よろしくね〜!」


ララルと名乗ったのは髪が長く、とても神聖な感じがする女性だった。


「ララルはいつも適当だ。それでは新参者に示しがつかんだろう。」


そう言ったのは、大柄な男,確か一度見たことがある。名前はガイアだったか…


「ガイア、まあいいじゃないか。」

「それにしてもこの子がナイトを瞬殺した子なの?いかにも初心者ってかんじだけど〜。」

「こいつはスゲェな今まで感じたことないクラスだ。龍以上じゃないか?」

「そうね。この子は期待できそう。」

「A級は俺だけなんですか?」

「あ,待ってください〜!」


声の方を見ると金髪の女の子が走ってきていた。


「A級のユーラです!お願いします!」


「ユーラ,これで全員ね!それでは出発よ!」


どうやらこの6人で行くらしい。


「どこにいくんだ?」

「S級ダンジョンの【幽閉の森林】だ。」

「確か…モンスターの急発生,魔力の霧が濃くなったことを受け,S級に引き上げられたダンジョンですよね…」

「いったことあるのか?」

「一度だけあります。ですが,いるのもくるしいくらいで…」

「お前なら大丈夫だ。それだけの魔力ならな。」

「…はい,がんばります。」

「それでは行こうか,【転移】」


目の前が眩しい光に包まれ,気がつくと,紫色の霧に包まれた森があった。




ーS級ダンジョン【幽閉の森林】ー

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る