そして僕は冬を告げる

@hannakikoyubi32

第1話 夢

夢、それは想像を絶する不思議や感動がある。これを読んでいるあなたも夢は見たことがあるだろう。ある時は人を助けるヒーロー、ある時は好きな女の子とのデート、この物語は夢に纏わる僕に起きた不思議な話である。


僕は至って普通のただの男子高校生だ。特別凄みのある訳でもなく、友達はいるが数は多くはない。季節は秋、今日も僕はいつも通り淡々と学校へ行く。最近寝付きが悪いせいかフラフラしながら登校していた。


『おーい、大丈夫か?』


後ろから聞き慣れた声がきこえる。


『あぁ、修か』


こいつは中学から同じの友達だ。名前は修、真面目ではないが良い奴だ。


『おい、見ろよあそこなんか人集まってるぞ』


修の指さす方向を見る。


『ありゃやばそうだな』


道でトラックが電柱に衝突していた。中の人は幸い無事そうだった。しかしなんだろうこの感じは、何故か僕はこの光景に既視感を覚える。そんな違和感を抱えながら学校行く。


学校に着き、5時間目が終わり6時間目が始まった時昼食を取ったせいか睡魔が僕を襲った。


『起きろぉ、おい起きろよぉ』


ふと目を覚ますとは先生が教科書片手にこちらを見ていた。時計を見ると授業は残り10分を切っていた。


『次寝たら、成績落とすからな気をつけろぉ』

『はい、、』


教室のみんなからクスクス笑われていたのは分かっていたがそれ以上に気になることがあった。さっき寝ていた時に見た夢だ。薄暗い廃墟?の中から廃れた街を眺めているという少し怖い夢だった。何故そんな夢を見たのだろうか。


放課後家に帰る途中に修にこのことを言ってみたら修は足を止めて頭を傾げた。


『その夢さぁ、昨日の夜俺もみたぞ』

『えぇ、』


思わず声を漏らす。


『同じ夢見るなんて仲良しかよ笑、どうせなら可愛い女の子と同じ夢みたかったなぁ』


と愚痴を垂らす修


『うるせぇなほら、早く行くぞ』


少し笑いながら僕は先を歩く。


『ちょ、待てってぇ』


その日の夜することも無く、静かな自分の部屋でネットサーフィンをしていたら気になる記事が目に止まった。多元宇宙論という複数の宇宙が存在しその宇宙が似たような構造であるというものである。


『多元宇宙、、』


普段宇宙についてなんて考えたことすらなかった。せいぜい映画で宇宙戦争とかでしか関わらなかったからだ。宇宙について考えれば考えるほど眠くなり今日は寝ることにした。しかし寝る前に思い出すことがあった。トラック事故の既視感と授業中の夢だ。だが考えても仕方の無いことなので寝ることにした。


次の日また夢を見た。





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