本格的な謎解きを所望


 この日から、殿下、あまり恥ずかしがらなくなりました。

 雪乃さんはといえば、もうこれは完全に許嫁というか新妻のようです。


 二人のべたべたイチャイチャは、拍車がかかったというか……

 毎日、学校が終わった雪乃さんがやってきて、下の面倒を見てお帰りになる……


 ご飯は病院食で差し入れ禁止……殿下の不満は募るばかり……

 

「暇で暇でたまらない……午後は雪乃さんが来てくれるからいいが、それ以外は暇で死にそうだ!飯もまずいし……」

「雪乃さん、悪いが大なのだが……」

「はいはい」

「もうこうなったら、雪乃さんには頭が上がらぬ、まさか下の面倒まで見てもらうとは、思いもよらなかった」


「拭きますよ、お尻を上げてください」


「雪乃さんは十四歳、そんな娘さんに、こんなことをさせてしまって……」

「殿下、怒りますよ、もう私は殿下のナニに口づけしたのですよ、当然させていただきます」


「……」


「どの家の妻も、旦那様が入院すればする話、歳は関係ありません」

「殿下もくよくよ考えない、誰かが下のお世話をしなければならない、なら私としては、例え看護婦さんといえど、よその女には下の世話などさせたくはない、だから私がする」


「こんな私でも嫉妬するのですよ、女の性(さが)ですからね、殿方としては、こんな女の(さが)を笑っておられればいいのです」


「そうか……本当にありがとう……」

「ナニを出したままでいわれてもね♪有難味が少々薄れてしまいますよ♪」


 殿下がここで笑います。


「そういえば雪乃さんは図書館を作ったとか?暇つぶしに本でも貸していただけないか?」

「どのような?」

「なんでもいいが、そうだな、探偵小説がいいな」

「明日、五六冊持ってきましょう、謎解きの物がいいですか?」

「本格的な謎解きが良いな♪」


 帰った雪乃さん、殿下に頼まれた本格的な謎解き……探偵小説を探していました。


 その結果、

「 F・W・クロフツにしましょう……」


 いつものように、国立国会図書館デジタルライブラリーを漁っています。


 まずは『樽』、1920年、『公開 可』で、文庫版にしましょうね。

 さきごろ本に関する取り寄せ能力が向上してA6サイズから任意のサイズに拡大できますので、B6サイズを選びました。

 これから、文庫版はB6サイズにするつもりです。


 つづいて『ポンスン事件』、1921年、国立国会図書館デジタルライブラリーには文庫版がありませんでしたが、古本サイトで創元推理文庫が500円、同じく『製材所の秘密』、1922年も600円。

 『フローテ公園の殺人』、1923年は国立国会図書館デジタルライブラリー。

 ここからがフレンチ警部のシリーズで、『フレンチ警部最大の事件』、1925年、『フレンチ警部とチェインの謎』、1926年……


 ここまでが、『公開 可』でしたので、殿下にお貸ししましょうね♪

 ついでに新刊や古本サイト、国立国会図書館デジタルライブラリーとで、 F・W・クロフツはほんとどそろえました。


「殿下、明日からリハビリですね、順調で良かったですわ♪」

「ありがとう、明日からは雪乃さんに迷惑をかけることはない♪」

「しかし残念でもあるな……絶世の美少女に、ナニを見せつけるのも、男としてはありかな♪」


「つまらないことをおっしゃっていると、ナニを抓りますよ!」

「それは勘弁していただきたいな、男の急所なのだからな♪優しくしていただきたい♪ところで、小なのだが?」

「もう♪」


 甲斐甲斐しく尿瓶を用意、ナニに手を添え採尿……

 

「殿下、思うのですが、私が来て帰る時、二回下のお世話をしますが、それ以外はされていないのですか?」

「我慢しているからな、やはり親しくない女性にナニを見せるのは、恥ずかしいのだ、雪乃さんには見せたいがな♪」

「もう♪」


「ねえ、雪乃さん、好きだよ♪」

「私もですよ♪」


「キスしたいのだが?」

「もう♪」

 

 病室でながながとキスなどしている二人です。


「ねえ、雪乃さん……ナニが……」

「もう♪」

 

 キスなどしている雪乃さんでした。


「ここまでさせて、逃げたら許しませんからね♪」

「あり得ないよ、それに万が一そんな事になれば、帝国は存在出来ないだろうしな、まあ、そんな事は今の私にはどうでも良い」

「それより雪乃さん、貴女こそ逃げないでくれよ、愛しているのだから♪」


「私こそあり得ませんよ♪私に白い物を出して、『傷もの』にした殿下に、責任をお取りいただくつもりですから♪」

「『傷もの』か、なら絶対に妻にするから、他の男には手出しなどさせないよ、前に雪乃さんが女の性(さが)といっていたが、私も男の性(さが)がね、独占欲というものがあるのでな、笑ってくれてもいいよ♪」

 

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