女学校計画 其の二


 『恩賜財団 青鞜会』の高級幹部は『斎女(さいのめ)』以上です。

 この高級幹部になるには、『恩賜青鞜会高等女子小学校』から『恩賜青鞜会女官実科高等女学校』、そして卒業と同時に永年奉公人、幹部職員の『巫女』となり、その後、高級幹部職員の永久奉公人『斎女(さいのめ)』になるのがベストのようです。


 なお『恩賜青鞜会高等女子小学校』の定員は五名以下、『恩賜青鞜会女官実科高等女学校』は十名以下、入学が五名で、全部で一学年十名という少なさです。

 『恩賜青鞜会女官実科高等女学校』はまず一次選考が『美女』、その後学科試験、そして面接なのです。

 なんせ一次選考が『美女』ですからね。


 さらには、その上の女子専門学校も計画中です。


 新たに購入した陸軍御用地には、『聖女恩祈祷所』も作られました。

 神に捧げる神楽舞いを極秘に踊る場所です。


 当初『恩賜青鞜会看護高等女学校』の、卒業予定者が踊る事になっていましたが、新たに設立する『恩賜青鞜会女子専門学校』との兼ね合いで、『恩賜青鞜会女子専門学校』入学者と、『恩賜青鞜会看護高等女学校』高等部進級者で踊ることになりました。


 『恩賜青鞜会女子専門学校』は『恩賜青鞜会女官実科高等女学校』からの進学先、家事科、事務経理科、文学司書科となる予定です。

 一応、修業年限は三年となっています、当然学費無料です。


 こちらも定員は二十名以下、『恩賜青鞜会実科高等女学校』からの進級組とあわせてです。


 つまり『恩賜財団 青鞜会』の正規職員は毎年二十名が予定されているわけですね。


 定年が二十五歳なので、『恩賜財団 青鞜会』は『互助会』も設立予定です。

 『恩賜財団 青鞜会』の職員となれば、美人で賢い、その上、エッチも仕込まれていますので、二十五歳とすこし晩婚になりますが、まあ九割方相手が見つかると思われます。


 この帝国では、三十歳前の女性の結婚には戸主の許可がいりますが、『恩賜財団 青鞜会』の職員は全て最低でも年季奉公人、債務が絡み、ここでいう戸主とは債権を持つ、『恩賜財団 青鞜会』となるのです。

 正式に云うと『恩賜財団 青鞜会総裁』が握っているのです。


 従って『恩賜財団 青鞜会総裁』の許可があれば、結婚は可能であるのですね、勿論、申請があれば、ドンドン判子を押す所存ですよ♪

 たとえ永年奉公人『巫女』であっても、守秘義務の厳守を条件に判子は押してあげます♪


 とにかくですね、『聖女』に仕える使用人育成計画は、なんとか計画に乗り、膨大な資産の減らし方としてはかなり貢献すると、算定されたのです。


 あとは孤児院を二つ、そして孤児院の附属尋常小学校……

 私も在籍していたのですが、孤児は圧倒的に女児が多いのです。

 そもそも男女の出征比率が4:6で、男が大事にされるのですから、女の子はね……ほとんどは年季奉公にならざる得ない……


 で、おばあ様が、いっそのこと『女児孤児院』としなさいとおっしゃるのですよ……

 

 まあ、尋常女子小学校に女子実業補習学校をつけておきましょうね、これなら世に出ても、なんとかなるでしょう。

 優秀な子供さんなら、『恩賜青鞜会看護高等女学校』か、奨学金をつけて『恩賜青鞜会高等女子小学校』に、推薦入学の道も開いてあります……


 『恩賜財団 青鞜会 第一女児孤児院』、『恩賜財団 青鞜会 第二女児孤児院』、『恩賜青鞜会第一尋常女子小学校』、『恩賜青鞜会第二尋常女子小学校』、『恩賜青鞜会第一女子実業補習学校』、『恩賜青鞜会第二女子実業補習学校』……


 このあたりは全て『女児孤児院』に付属しており、『女児孤児院』から通学となります。


 『恩賜青鞜会女子実業補習学校』を卒業すれば、『恩賜財団 青鞜会』補助職員に採用の道もつけておきますね。


 以上の学校群には図書館や食堂も作っておきます。


 これで、私の資産は小さい財閥程度に収まりそうです。

 『愛人』は十名、『斎女(さいのめ)』十名、この枠内で収まるかもしれませんね……


 万一、これでも収まらなかったら、『恩賜青鞜会看護高等女学校』の女子専門部を医学専攻、薬学専攻、歯学専攻、看護専攻の四コースにわけ、一学年を80名、つまり女子専門部に編入するものを20名受け入れることにします。

 そして『恩賜財団 青鞜会 病院』を帝都に設立するわけですね。

 

 結果は思ったより資産の増え方が多く、この案も採用、医学専攻だけは四年で、帝国文部省指定校となり、帝国で二番目の女子医科大学となったのです。

 卒業すれば医師免許が与えられます。

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