スマホ KAC20215

渋谷かな

第1話 スマホ KAC20215

「ポッポッポー! ポーちゃんだい!」

 ポーちゃんは小学一年生の6才の女の子。

「スマホ? 子供の私には用のないものよ。子供はお外で遊ぶものよ。」

 ポーちゃんはスマホを持っていなかった。


「ハンバーガーを食べていきましょう!」

「おお!」

 ポーちゃんはお友達の全宇宙の支配者ロナちゃんとマケドナルドでお茶をすることにした。

「はい。ハンバーガー1000円です。」

「高ー!」

 ポーちゃんは渋々と財布からお小遣いの1000円を出してレジで会計を済ませた。

「スマホのクーポンを使います。」

「ありがとうございます。スマホクーポンでハンバーガーは無料です。」

 ロナちゃんはスマホのクーポンでハンバーガーを無料でもらった。

「なにーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!?」

 ポーちゃんの天と地がひっくり返る。

「そんなのありかーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!?」

 まさに青天の霹靂。

「イマドキの常識よ。悔しかったらポーちゃんもスマホを買ってもらえばいいのよ。」

「無理。うちのお父さんの安月給じゃスマホなんて買ってもらえない。」

 ポーちゃんの家は厳格ではなく貧乏だった。

「ポーちゃん、ドリンクは何を飲むの?」

「私は無料の水でいいよ。」

 遂にポーちゃんも無料で対抗する。水ではあるが。

「やるわね! ポーちゃん!」

「スマホが無くたって、私だって無料サービスくらい受けれるもん!」

 ポーちゃんに闘志が戻った。

「それなら私はコーラを・・・・・・スマホの無料クーポンで!」

 ロナちゃんの第二撃。

「なんですとーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!?」

 ポーちゃんの神経がブチブチ切れる音が聞こえてくる。

「ハンバーガーだけでなく、コーラまでスマホで無料になるというのか!?」

 震えるポーちゃん。

「その通り! ワッハッハー!」

 勝ち誇るロナちゃん。

「ゆ、許せん! そんなスマホ! 私が叩き潰してくれるわ!」

「やれるもんならやってみなさい!」

「ゴットカード・ファイト!」

 ポーちゃんとロナちゃんのゴットカードバトルが始まる。


ポーちゃんのゴットカード。歩兵さん。

ロナちゃんのゴットカード。スマホ。 


「いでよ! 歩兵さん!」

「おお!」

 ポーちゃんはゴットカードから歩兵さんを召喚する。

「いでよ! スマホ!」

「おお!」

 ロナちゃんはゴットカードからスマホを召喚する。

「くらえ! ポーちゃん! 無料スマホクーポン攻撃!」

「ギャアアアアアアー!」

 ポーちゃんはロナちゃんの攻撃で窮地に立たされる。

「このままじゃやられる!? いくよ! 歩兵さん!」

「おお!」

「コズミックパワー!」

 ポーちゃんの歩兵さんが変身していく。

「光ある所に影もあり! 影の騎士シャドー・ナイト! 見参!」

 シャドー・ナイトが現れた。

「くらえ! スマホ! 必殺! シャドー・スラッシューだ!」

「ギャアアアアアアー!」

 スマホは倒された。

「正義は勝つ!」

 いつの間にか悪役にされたスマホ。

「ざまあみろ! スマホ!」

 ポーちゃんも本音がつい出てしまう。

「やったー! これで新しい最新型のスマホをお父さんに勝ってもらえるわ! わ~い!」

 ポーちゃんを焚き付け、古いスマホを壊させようと考えたロナちゃん一人勝ち。

「え・・・・・・!?」

 利用されただけのポーちゃんだった。

 めでたしめでたし。

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