第6話 いじめ

 いじめとは、相手が不快に思う事をわざと悪意をもってする事。私の通っていた学校の学年は、とても気の強い子達が多かった。同じようなタイプの子でも学校、学年によっては、いじめの対象になったり、ならなかったりする。

 これは、運もあるのかなと思う。また、いじめを敏感に感じとる子といじめられてる事に気付かない鈍感な子もいる。

私は、後者であった。何故かというと、すべては、喋らない自分が悪いと思っていたから。

そう思う事で、自分が傷つく事も相手を傷つける事も軽減できるのではないかと、脳が作動していたのだろう。でも、実際は、それによって傷つく事は、多々あった。

 一般的ないじめとされる集団無視は、私の中では、いじめではなかった。話せないという事は、常に私がクラスメイトに対していじめをしているという事になるからだ。嫌いじゃないのに話したくないわけじゃないのに...そんな私の心の声を誰かが聞いてくれるわけもなく、誤解されていた。だが、後に私が虐められていたと確信する事件が起こる。

 小学5年生の時、私は、毎回、トイレ掃除の時間に虐められていた。トイレに閉じ込められ、上から水をかけられた。トイレのドアに手を置くよう命じられ、トイレのドアをわざと閉めて、指を潰された。「うわー!」今までにないくらいの大声を出し、泣き叫んだ。

幸い今では、跡形もなく治っているが、問題は、怪我をさせた事よりも虐めていた主犯の女が全く悪いと思っていなかった事だ。

 その頃は、全て話さない私が悪いと思っていたから、そのいじめの主犯の女が何故そんな事をしたのか、本当の理由を知る余地もなかった。何があっても虐める事は、いけない事だ。だが、いつの時代も虐めは、決してなくなる事はない。家庭環境やストレス、原因は、いろいろあるだろう。でも、関係のない弱い者を虐める事でそれを発散させたところで、その人の気持ちは、満たされる事は、ないだろう。

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