第二十五話「そして――」
=ザタリアスとの決戦から一週間後=
Side 大道寺 リュウガ
司令室で一息つきながら思う。
学園の機能が停止している現状を見てヒーロー部と悪の組織部で強化合宿――実質修行しようと言う話が出てきた。
さらには合同大会や新入部員と言う名の戦力増強案も出ていた。
だがそれよりも――
(今回の一件は色々と痛感させられた)
自分は司令としてまだまだ未熟だった。
いざと言う時は自分が出ればいいと思っていたが甘かった。
色々とイレギュラーな要素があったが、戦いの舞台に辿り着いた頃には全てが終わっていた。
自分だけが強くなれば良いと言う考えではない。
アーカディアの司令としての機能の強化。
そしてサポートする人材や戦える人材などの手配などを充実させなければならないと思った。
例え次の少年少女達の時代がもう始まっているのだとしても、見届け人の大人としてやれるべきことはやっておきたいと大道寺司令は考えていた。
Side 天野 猛
――あの時は驚きましたよ猛さん。合体したりとか巨大化したりとか・・・・・・でも無事で良かったです。
――ありがとう春歌ちゃん。あと合体とか巨大化とか自分でも驚いている。
――それよりもあの黒いレヴァイザーは・・・・・・
――大丈夫。また会える。今は町の復旧に集中しよう。
――は、はい!
そんなやり取りをしながら行った町の復旧作業。
完全とはいかないがほぼ元通りになった。
ブラックスカルやブレン軍との戦いの経験が活きたのも大きい。
天野 猛たち、アーカディアの面々、あの戦いに参加した人々は大々的に賞賛された。
特に敵の首魁を討ち取った天野 猛なんかは一躍時の人である。
ザタリアスによって明かされた地球と月との第三次大戦のとか地球連邦の後ろ暗い話とか有耶無耶になっている感があるが、それが狙いなんだろうと猛はなんとなく思った
Drジャスティス、プリティアは逃したが王乃 纏は大人しくお縄に付いた。
王乃 纏、曰く「自分のルールに従っただけ」との事だ。
問坂 ユウギとは違い、ブラックスカルの件などを含めての重要参考人であるため取り調べが続いている。
そしてヒーロー部や悪の組織部はと言うと――
『ヒーロー部の皆さんの登場です!!』
天野 猛たちヒーロー部の面々や悪の組織部の面々は学園中を回ってヒーローショーなどのチャリティ活動をしていた。
今日は猛の学校の日。
演劇部など様々な部活も連日のように協力してくれている。
グッズ販売なども好評である。
(あの黒いレヴァイザーはやっぱり――)
などと思う時がある。
本当はじっくり話したかった。
たくさんたくさん話したいことは山積みだった。
喜べばいいのか、もしかしてとんでもない秘密があって素直に喜べないのかは分からない。
けれどもまた会いたい。
だからそのためにも、胸を張って再開するためにもヒーローを続けようと思った。
Side Drジャスティス
まさかザタリアスが倒されるとは――
正直言えば想定外の力を発揮し、焦りはしたのは事実だ。
創星石――妖精石などと同じくまだまだ秘密が多い鉱物のようだ。
それを含めて手中に収める機会はある。
やがて地球圏は数年もしないウチに地獄になるだろう。
そうなれば付け入る隙などいくらでもある。
その時まで束の間平和を楽しんでおくがいい。
ザタリアス編・完
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます