文書ロイドの有る探偵【文書ロイドシリーズ短編】
春眼 兎吉(はるまなこ ピョンきち)
文書ロイドの有る探偵
「犯人はあなたです!」
いきなりもう核心というか答え合わせ。だがいつものことだ。先生は『本質』を
『本質』が何かって? それは
といって私が言うのもなんだが、これらの考えはそのまま
ここはさる大富豪の屋敷の会食スペース。先生と私はここの主人が殺害され、しかも解体されて、命の
「そう、犯人はこの家のメイド長であるアナタ!なんですよ」
先生は人の名前を覚えるのが苦手だ。一時期、なぜかと
「オィ、何言ってんだ」
「これだから探偵という
「ハンチング帽に胸ヒラヒラのカッターシャツ、チェック柄の短パンにサスペンダー、おまけに蝶ネクタイと、少年探偵を画に描いたような助手に真っ白なタキシードに身を包んだ探偵だぁ?オイオイオイ、結婚式はよそでやってくれよ」
「そうよそうよ。少年探偵っぽい助手の子は小学生みたいでかわいいけど、探偵のアンタはキモいのよ!ほんと、どっか行って!」
外野からの
「私は知っています。
これまで
「だって、あの人が……あの人が……」
先生は犯行の『
「アナタがそれを言う必要はないんですよ。もうすでに答えは私の優秀な
そういって推理の公開と言うのもおごがましいほどの
「それをこの身に宿して
「うほあぁぁぁあぁぁアぁァぁァァァぁぁぁーーーーー!!!」
「きた来たキタァァァぁぁぁァァァーーーーーー!!!」
直立不動、天を
そして一通りの
「私は料理で人を笑顔にしたかった」
語りも
「だから高名な料理研究家で自国を含めた各国政府の信頼の熱い旦那様の元へ来たというのに」
「旦那様は料理中の私の元へ忍び寄り、背後から襲った。それからの日々……旦那様は
「そして私の
「お前の×××はたいそうイヤな臭いがする。そんなヤツが香りを支配せしめる『料理』という
旦那様の畜生にも劣る邪悪な演技も完璧、思わず殺したくなるほどには。
「なんという人に配慮の無い発言。優しくない。人を笑顔にするためには奉仕の精神が無いといけないのに。そして悟った。旦那様にも『奉仕の精神』を学んで貰おうと。その
『決意』と『狂気』がない交ぜになった清々しい表情仕草も完璧だ!「やっぱり人間が一番輝くのは『覚悟』を決めた瞬間だわ!」と、今の先生の
そしてその場に居合わせた者達は皆、先生の劇場の等しき
この光景を見て私は先生と会った日のことを思い出す。その時先生が語った『
「いいか、『ミステリ』とは『ナゼ人は殺すのか?』を
心地良い拍手に包まれながら先生と私は無事に任務を
とある一室にて今回の
「まったくもって」
「
「とりあえず、状況を整理したまえ」
この会議の代表である初老の男が促し、専門家が解説と
「有限会社 MUST
「ゆえに
「に、しても、なんで草間なんかがあの文書ロイドを使えるんだよ」
草間とかつて同期だった男が
「まぁ、そう言うな。お前も一部は知っているだろうが、彼は弁護士、検察官、裁判官を
絶句する同期だった男を見据え、代表は
「『ナゼ人は殺すか?』を
思わず大声で笑い出す代表。彼は草間とは
「だから、彼は
代表の笑い声が落ち着き、場を繋ぐように副官の男が解説を再開する。
「究極のウソ発見器たる『
「加えて
「ぐぬぬ……」
かつて同僚だった男の
事件を解決した道すがら、草間 和博と彼にアケチクンと呼ばれている文子Ver.3.55
「ねぇ、どうして先生は
「私は僕っ
「じゃ、なくて」
「真面目に言うとだな、キミが捨てられた子犬のような目をして見つめてきたから、と言うのと、それでも目の奥に、キミの心の奥に確かな熱が……『このままでは終わりたくない』という
「ダメですよ!私はあの日先生に見初められた日から全てを捧げると決めたんですから、アナタの
「じゃあよろしく頼むよ。わが
「はいっ!アナタが死ぬまで仕えさせていただきます♪」
「そこは対等でいこう。『
「えへへ」
立ち止まって目線を合わせ、愛おしそうにアケチクンの頭を撫でる草間。二人の絆はガチガチに凝り固まって
まだまだこのバディの
読んでくださりありがとうございます
よろしければ本短編評価
本編になる
【完結】文書(ぶんしょ)ロイド文子シリーズ原典『サッカ』 ~飽和(ほうわ)の時代を生きる皆さんへ~ 俺は何が何でも作家になりたい!そう、たとえ人間を《ヤメテ》でもまぁ!!
の拝読もヨロシクお願いします
文書ロイドの有る探偵【文書ロイドシリーズ短編】 春眼 兎吉(はるまなこ ピョンきち) @harumanako-pyonkichi
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