第35話 珍しいコンビを呼んでみた
父上と兄上を見送ると、遅めの朝食を取りなから影達二人を呼び出した。
「セバ悪いがここに朝食を運んでくれ」
「こちらへですか?」
「食堂…誰か居そうだからさっ?」
「あぁ、そうですね?なら、運んで参ります」
「頼む」
セバスも見送ると今度は影を呼び出す。
(メッセージ!メンサス!)
(ひっ! だ、誰……)
(メンサス?どうした)
(あっ………ルーク様ですか?)
(そう、どうした)
(い、いえ、驚いて……飯が落ちました)
(ぶっ!)
ハハハ!面白れぇ……。
(ハハハ、ごめん、メンサス悪かったよ。追加で作って貰え。で、それ食ったらトレバンと二人で屋敷のリビングに来てくれ。一時間以内に来いよ)
(は、畏まりました……)
それだけ伝えて通信を切る。
それにしても……何を落としたのやら…受ける。
それから俺は、セバスが運んで来た朝食を取って居ると、呼び出した影二人がリビングに入ってくる。
「ルーク様お待たせしました」
「メンサスから聞いて、伺いましたが……未だ御食事の途中でしたか。お邪魔して申し訳ありません」
「いや、構わないぞ?もう食べ終わる。そこに座って少し待て」
「で、では……失礼します」
二人がソファーに据わるのと同時に、最後の一欠のベーコンを口に入れ食事が終わる。
「ふぅ~ご馳走様。二人共待たせたな」
「い、いえ。全く待ってませんよ」
「それで、私達を呼び出したのは?」
「それな、これから兄上と兄上の影達。後は、俺とお前達で前の屋敷に向かう」
「……はぁ(いつも思うが……突然だな)」
「そ、それは本当にこれから行くのですか?」
「本当だな。取り敢えず俺達の警護がメインだから、あんまり気にしなくて良いぞ?」
変な聞き方だなぁ……。
「そ、そうですか」
「なに?トレバン気に入らないの?なら、違う……」
「い、いえ、そんな事はありません。(主人の機嫌を損ねたら……また、あの訓練をさせられる!)申し訳ありません。少し驚いて」
「なにが?」
「そ、その……そういう命令は、ハンス達のペアが良く呼び出されてたのを、記憶しておりまして……その……」
まぁ、こいつの言う事も分かるかな。
こう言う護衛の様な仕事は別のコンビに任せてたからな。
「まぁ、良いよ。兄上が来るまで待ってろ」
「「はっ!(トレバン余計な事は言うなよ。冷や汗が止まらん)」(す、すまん)」
中々ルークの護衛の仕事などする事がないトレバン達二人は、ルークの行動に戸惑うばかりである。
「トレバン?」
「な、なんでしょうか。ルーク様」
「兄上達の影達との訓練は、どうだった?」
「はっ!大変参考に為りました。地下の訓練所でも、実践しております」
「ふぅ~ん。なら、良かったよ。リンクはどうだ?奴の行動は出鱈目だからな、あっちの影達は戸惑って無かったか?」
「………そ、それが……」
「なに?」
「いえ、何でもないです…。ですが、流石がエルク様の影ですね、と言った所でしょうか?リンクが萎縮してましたよ?」
「そうか、なら……安心かな?兄上の……」
「ルーなんだ?私がどうかしたか?」
「……兄上でしたか。支度は出来たみたいですね?」
「あぁ、早速向かうが……?ルー私がなんだ?」
「…いえ、大した事では……。後でお話をしましょう、それよりも屋敷ですよ?」
「そうだった…。なら早速行くか、ルー」
「ええ、では行きましょうか。で兄上」
「なんだ?」
「空から行きますか?それとも転移門を繋ぎますか?」
「ふむ………そうだな。偶には、空から……と行きたいが。やめておくよ。万が一人に見られたら厄介だからな」
「そうですか?では、行きましょうか。護衛はその二人ですか?」
「あぁ、そうだ。おい!」
「先日の手合わせ以来ですね?今日は宜しくお願いします」
「はじめまして私は、ぜルマンと申します。普段カイズと一緒に行動をしてます」
「宜しく。あっちにいるのは俺の影達だ。お前達挨拶」
「本日は、宜しくお願いします」
「ああ、宜しくな」
なら行きますかね?
「では兄上、ここに転移門を繋げますから、少し待ってくださいね?」
「ああ」
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