第33話 父と兄が屋敷に訪問……

 約一週間、魔物狩りや鉱石の採掘など好き勝手して、自分の屋敷に戻った翌日に父上と兄上がわざわざ俺の屋敷に顔を出す!と言う知らせが来たそうで……何事ですか?


「おはようございます!ルーク様。今朝は、イールとお揃いでお寝坊ですか?」

「むぅぅ………まだ寝かせ………ぇ…………」

「起きて下さい!先程知らせがあって、陛下とエルク様が来られるそうですよ。ほら、起きてシャッキっとしてください!」


 ………誰が来るって?……面倒だから会わないぞぉ~。

 …父上に……兄上がか………ふぅ~ん………寝る…。


「………………はっはぁ!なんで!」


 寝惚けていたが……父と兄と、聞くと一気に眠気が覚めて、急にガバリと掛け布団をどかして飛び上がる。


「あっ、起きられましたね?さぁ、湯浴みをされてお支度してください」

「分かった……。てか!何の用で二人でここに来るんだ?」

「さぁ?暫く屋敷をあけてましたし?影達もエルク様に預けて居りますから。その事ではないですか?」

「影……あっそうだったよなぁ~。分かった風呂入ってくる」


 すくっと立ち上がって浴室に向かい、ルークは一風呂浴びる事にしたのだった。


 風呂から上がり支度をすると、父上達が来る時間になり……屋敷のリビングで二人を待つ。

 そして、リビングの中が突然騒がしくなる。


「ルーク!屋敷に戻ったと聞いたぞ!」

「なんで顔を出さない?この、放蕩息子!」

「た、ただいま……です。父上に兄上……。すみません、昨日は疲れて居たので挨拶もせずに」


 取り敢えず、二人に謝ればなんとか乗りきれるか?と思い開講一番、言い訳せずに謝ったが。…これで乗り切れるか?


「全く……しかし、疲れて居たなら仕方ないか」


 ほっ、お咎め無しで良かった…。


「に、してもルー。今回は一週間でちゃんと戻って来たな。良かったよ、そのままズルズルと冒険されても困るからな」

「アハハ、その節は申し訳ないです。で?お二人で、私の屋敷に来たのは何のご用でしょうか?」

「お、そうだ!良い知らせだぞ!」

「彼の国の王族がクーデターで、崩壊したそうだぞ。フフフ」

「はぁ、そうでしたか……。それはまた、突然ですねぇ~」


 まっ、父上と兄上がその辺は何かしらしたのだろうが俺は関係ないしな。

 先日影二人が、王子を永遠に眠らせて戻って来たし……あれ?そうだったよな?


「なにを言ってる!ルーク。お前の影が良い仕事をしたのも大きいぞ」

「えっと………あぁ~あれですかね?」

「そうだ、それに財政破綻も要因だそうだぞ」

「……そうですか。でも……父上?」

「なんだ?」

「今更関係ないですよ?いまは、国を立ち上げるのが先です。そちらの方は進んでるのですか?」

「それは順調にに進んでおるぞ。それでだ!」 

「当初の予定通り、国に成る土地の境界線に壁を頼みたい」

「確か、国境線に成る壁でしたね?」

「そうだ、ルーク頼めるか?」

「ええ、それは大丈夫です。それなら地図をお願い出来ますか?」

「それならここに」


 さっと、テーブルに地図をエルク兄上が出してくる。流石抜かりは無いか……。

 地図を三人で覗いて場所の確認をする。


「父上……領地は、この赤い線で囲ってあるのがそうでしたよね?」

「そうだ」

「広がりは無いのですよね?結局、隣の領地との領主とは交渉決裂ですか?」

「あぁそうだ。全くあの………」

「まぁ、まぁ、話が決裂したなら、面倒が無くて良いのでは?」

「小国には成りますがそのほうが楽ですよ?」

「何処かの国に攻められても、守りが手薄に成らなくて済みますよ。それに、私の従者はドラゴンですよ?フフフ、そんな国に攻めて来たらその国は、作戦を練る間もなく一瞬で消えますよ」

「…………そ、そうだったな。ドラゴン……なぁルーク、そのドラゴン達は祭った方がいいのか?」

「フフフ、父上それはしなくて良いですよ?普通に、私と暮らしてますからね。旨い飯を私達と一緒に、食べたらそれで良いのでは?」


 不味い飯を食わせたら暴れそうだがな?

 ……多分マクゥエル領地が無くなる。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る