第22話 餅は餅屋で!

「分かった、分かりましたよ!ですが、明日1日にしてください!今日は駄目です」

「ええ、なんでですか?今日は半日時間が空いたから頼んでるのに」


 そんな…子供が駄々を捏ねる見たいに言わないで欲しいのだが。

 こっちも予定があるし困るんだよ!


「それなら駄目ですね、諦めて下さい。だいたい魔物を売ってもそんなに稼げませんよ!分かってますか?」

「ええ、そうなのかい?だって、ルーク結構稼いでるでしょ?」

「やらしい話しをしますねぇ……?カミル従兄様は!なら、言いますがね?ゴブリン一匹が、銅貨三枚程度ですよ?それも納める部位が、決まってて右の耳です。それ一枚が銅貨三枚です」

「そ、そんなに安いのかい?なら、もっと違う魔物は?」

「なら、なにを狩りに行きますか?オーガ?オークですか」


 狩りなんて、出きるのかよこの人が?


「ええっと……それはルークが助けてくれるんだよね?」

「はあ?なんで、私が助けないと為らないのですか?私に魔物を狩らせて物見遊山ですか?」

「い、嫌そんなことはしないが………。私は、エルク程魔力は無いのでね?」

「だったらこの領地で、机に座って仕事しててくださいよ!」


 この人話が通じないし!


「そうした方が、私も良いとは思うのだよ?だがね…、ラインが使えないなら私が……」

「はぁ~で?私が魔物を狩りをしてる時に、貴方は何をして、私を助けてくれるのですか?」

「そ、それは……」

「ほら、なにも貴方ではできないのでしょ?馬鹿にする訳ではありませんが。餅は餅屋ですよ?貴方は貴方の……何度もいいますが、出来ることをしててくださいよ!全く!」

「こ、これは痛い所を………突かれたねぇ。エルクやっぱり駄目かな?」

「ククク、カミルこうなったらルークは動かないよ。梃子でもね」

「そうですね?なら、私は諦めますよ。ルークすみませんね?」

「………エルク兄上、カミル従兄様……私を試しましたね?」

「そんな事はないですよ?ねぇ?エルク」

「ククク。あぁ、そうだな」

「そんなに、馬鹿にしますか?エルク兄上、俺怒って良いですか?てか!怒りますよ!」


 全くこの人達は、俺の都合を全く考えてくれないんだから!


「ま、まぁ、すまなかったよルーク。だがカミルの方は切実なんだよ。ほら、マクウェル家はここが領地だからね。税収も潤沢に回せてるし、稼ぎ頭のルークが居るからね……。でもその事はカミルは、把握してるんだよ。だから余計に焦る」


「それは、そうでしょうが」

「それに、伯父とカミル以外の後の者は使えんだろ。無駄飯食って、我が儘し放題だ。それを伯父上が見逃してるしね?」

「それは、私達には関係がないですよね。ラインには、ちゃんと説明すれば良いのでは?」

「ラインには、ちゃんと言ってあったのだがね。現状蓋を開けたら、ああだし…此方も困ってるのだよ」

「てか、ラインから小遣いと飯を取り上げたら。奴は動くでしょ?」

「あ!その手は未だ試して無いね?よし、少し話して来るよ」


 手をポンと叩いて部屋を出て行って仕舞った。

 カミル従兄が、部屋から出て行ったのを見送った俺ら兄弟は、呆気に取られて固まって仕舞った。

 なんだあれ………?これから俺はどうすれば良いのかな?


 あっ!キャンプ地……戻ろうっと…。

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