第16話 お目当てを探して 

「ピィ~」


 とイールの声がすると、空から戻って俺の肩に止まる。

 イールよ俺は止まり木では無いのだがなぁ?


『主、呼んだ?なにかなぁ~ボク、遊んでたのに』

(すまんな、遊んでたのか?なら戻るか?)


 そうしてくれると非情に有難いが?


『…嫌だ、ボク主と行く』

(ん~それは……洞窟に行くんだぞ?今からさっ、どう考えてもお前は無理だろ?狭くて飛べないぞ)

『ええ~僕は、また留守番?なのぉ~つまらない』

(そうか?それなら良い案があるぞ?)

『なに?』

(俺から離れる事だな!そうすれば、お前は自由だろ?)

『そ、それは………主はボクが嫌いなの?』

(嫌いではないぞ?だが今は、イールと遊べないからな。だったらお前は自由にしたら良い)


 ルークはイールを冷たく突き放す。

 ルークもイールの事は嫌いではない。

 だが…足手まといだし…世話が出来ないのだ。


 イールは魔物、本来の姿はもっと大きな魔物だ。

 人里を避けて、山の奥に住むそれが本来の理だろうと、ルークは思って居るのだが…。


『嫌だよ!ボクは、主と居るの!』

(そうか?なら、俺の言うことを聞いてくれ?)

『分かったよ。なら、また空で遊んで来て良い?』


 まぁ、ここに居ても邪魔だしな。

 それに、ドラゴンが三頭も居るしイールにしたらドラゴンは脅威だしな。


(いいぞ、帰ったら呼ぶよ)

『………分かった。絶対に読んでね?絶対にだよ?』


 なんか子供のような確認をされたが…。

 イールはまた、飛び立って山の向こうへ飛んで行った。


「と、言うことで。オルタは、ここに居て留守番しててくれよ。頼んだぞ?」

「任せろ!」


 そして、俺は影達からの報告を受けたもう一本の洞窟に向かう。

 まあ、報告では四ヶ所と聞いていたし短時間で全部行くのも良いかな?どうせ鉱石なんて一回で取りきれる分けも無いからな。

 今回は様子見で良いか。


 そして、ルークは洞窟に向かって飛んでいく。


 影達からの報告では、確か……あ!地図に印指せたの忘れてた。

 ……アハハ、俺…疲れてるな。


 地図を取り出してマップと併せて位置確認をする。


 フム………影達が探して来た洞窟にマップを照合して探る。洞窟を探索したが後の三本は外れだった……。なんだよ期待したのに……他に洞窟ないのか?


 マップで検索すると、おっと!一ヶ所光ってる……ここに行って見るか。

 決めた場所にたどり着いたが、そこは鬱蒼とした木々が生い茂る入り口で、なんとも狭い洞窟だった。


「ん~これは中々……狭そうな洞穴だなぁ~。中入って行けるかな?取り敢えず入って見るか、目当ての物は奥にあるんだよなぁ…」


 独り言をいいなから目当ての物を探しに奥に入って行く……。



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