第59話 ざまぁ……2

 腹を蹴られ床を転がるオースが俺達を睨み付けて悪態を付く。


 なんとまぁ……貴族に暴言吐けばそのまま、ここで首が胴体から離れるぞ?

 良いのかな?俺としては、その方が話が早くて済むか。


「この野郎………俺は勇者になる男だぞ!俺が勇者に成って、お前ら全員地獄に送ってやる!」

「この、身の程知らずの無礼者!」


 兵士そう言いながら、オースを蹴付ける。


「ぐはぁ!」


「全く最低のグズが、何が勇者だ!自分ではなにも出来ないくせに。生活魔法の一つも、使えない奴が偉そうに……勇者にだと笑っちまう。ゲスが!」

「お、お前は……誰だよ」

「俺は俺だせ?オース」


 オースに名を呼ばれたので、オースが知る姿になりオースに顔を見せる。


「ひ!ル、ルーク」

「なんだ、オース」

「お、お前……死んで無かったんだな?」

「なんだ残念か?お前らに手酷くされて、死にそうには成ったがな?一応手足はあるぜ。それにしても、あれは痛かった。肋骨が肺に刺さってたからな。てか、そんなこと言っても分からないか、お前バカだからな?ククク。どうだ?ここで、自分の愚かさを暴露されるのは。どうせなら、カルエとリマもトレシュにも、同じめ目に遭っても貰いたかったが、死んでるんじゃ仕方ないなぁ……」

「な、なんでその事を知ってる!お前」

「ああ、それね?」

【パチリ】と指を鳴らして元の姿に戻る。


「ひ!ひぃぃ。だ、誰だ!お前は、なんなんだ!化物」


 化物って……傷つくなおい、失礼だろが!


「人聞きの悪いことは、言わないでくれないか?俺はルーク、ルーク・マクウェルだ!俺は貴族だよ」

「ひぃ~!お前、俺らを騙したのか」

「騙す?何故、そんな面倒なことをするのかな。お前みたいな屑にさっ?」

「う、うるせぇ!俺は勇者になる男だぞ!」

「だからなんだ?魔法のひとつ、剣もまともに振れない癖に何が勇者だ。年を考えろよおっさん!生活魔法すら使えない癖に。なに寝言、言ってるんだ?ハハハ。ばぁ~か」

「てめぇ!ルーク」


 すると側にいた兵士がたま、オースの腹を蹴り付ける。


「不敬だと言ってるだろ!この屑」

「ぐはぁ!い…」


 あー良い気味だ。今までの怨みが……。


「お前がエンケルの町で、嘘を言いふらすから!こんなめに遭うんだぜ。大人しく低ランクのままで、細々と冒険してれば良いのに。大嘘かまして人の迷惑考えないで、悪さばかりするから!こう言う目に遭うんだよ!馬鹿が」


「う、煩せぇー。俺は勇者………」

「何処の世界に、スキルの一つもない者が勇者になれるんだ?」


 とギルマスが口を挟んで来た。


「す、スキル?なんだそれは」

「ククク。おいギルマス。そいつのステータス教えてやれば?」

「いえ、エルク殿下。こいつには最初にステータスは伝えて居りますが?」

「そんなの覚えてる訳がない!」

「だ、そうだぞ?ダグ……」

「まぁ、そうでしょうねぇ。てか、聞いてないのでは?兄上」

「ああ、そうか……ならルーク教えてやれば良いよ」

「ええ、俺ですか?兄上…あいつ、字が読めないんですよ?」


 それでも私達に見せろと、言う顔をしてるのが分かる。






 ̄ ̄ ̄ ̄


サクッとざまぁが出来ない……。

すみません。もう少し続きます。






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