第77話 バルカンの願出。
リビングに戻って、バルカンとメンサス達コンビを呼ぶ。
「お呼びですか?ルーク様?」
「あぁ、すまんな?たいした事じゃないから、そう畏まらなくても良いぞ?」
「…………はぁ?」
「奴の事を。最後まで見てたのは、どっちのコンビだ?」
「それは、私とトレバンです」
「そうか?なら、奴は何をして捕まったのかな?」
「奴が門番から、認証確認の水晶を奪ったのです。そして、水晶が赤く光って牢屋行きです。牢から叫び声がしてましたね?確か……ロイドを呼べとか?」
「………ロイドが奴と繋がってたのか………って事は、チェスターか、なんとも厄介…。ん?そうでもないのか……」
ルークは、報告を聞いてブツブツと呟いて考え込む。
その姿を見た、影達が不安になる。自分達が、何かミスでもしたのかと……。
「ルーク様?何か……」
「ああ、すまんな、分かった報告有り難う。暫く休んでくれ!だが、全員連絡は着くようにな?」
「「「「承知しました」」」ほっ!」
影達全員、リビングから出て行くのを見送るとルークはソファーに座り直す。
すると、部屋を出て行ったバルカンが戻って来る。
「どうした?バルカン」
「いえ、大した事ではないのですが………」
なんだよ?言い憎そうにして?
「………何か?」
なんか、あったのかい?
「あの………里帰りをしたくて……」
「ああ、お前エンケル出身だったな?」
「ええ、妹がどうやら結婚するらしくて」
「それは……目出度いな?なら、ほらそれを!俺からの祝いだ!」
ほれ、とドラゴンの鱗を渡す。
「る、ルーク様こ、これをですか?」
「ああ、換金して祝ってやれよ?換金した金は好きに使って良いぞ?休みはどれくらい欲しいんだ?」
「あ、あの5日程………」
「5日……ね?」
チラリと、バルカンを見ると緊張してるのか?汗かいてるぞ……なんでだ?
「良いぞ!5日休みをやる、羽を伸ばしてこい」
「あ、有り難う御座います!」
土下座する勢いで、頭を下げるバルカンだが………俺そんなに怖いか?
「で?何時からいくんだ?」
「あ!明日からでも、良いでしょうか?」
「良いぞ?但し、何かあれば連絡を」
「分かりました!では、失礼します。あ!これ有り難う御座います」
バタバタとリビングから出て行った。
………なんだあれ?
◇◆◇◆◇◆
余談
*バルカン、曰く………。
「こ、殺されるかと思った………良かった。ミリア、兄ちゃん休みを取れたぞ!軍資金も、貰ったから、祝いを買ってやれる!待ってろよ」
自分の部屋に戻りながら、小躍して戻るバルカンであった。
他の影達は、バルカンの小躍りして喜んでいる姿を見て気味が悪いと引くのであった。
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