第58話 生意気過ぎるだろ?

 するとルークの隣に、ケビンが近づいてくる。


「ルーク様?」

「何だ?」

「サルマンって、なんでですか?」

「ああ、ラムセス達の出身地だよ」

「はぁ……分かりました。で、王都は?」

「冒険者ギルドに寄って、オルタ達の登録と換金目的だな。因みにケビン達は、俺たちの護衛だ。宜しく頼むぞ?」

「はい!分かりました。ですが?護衛って?」

「ああ、換金する額が半端無いからな、トラブルになると困るんだよ」

「何を売るんですか?」


 しつけぇな!こいつどうした?


「あ~鱗だな!」

「は!」

「だからな、ドラゴンの鱗」

「は?」

「お前、聞こえてるだろ?」

「聞こえてますよ!俺の空耳かと思いまして。それにしても鱗ですって!何処で手に入れたのです?その鱗!でも………ドラゴンは?」 

「ん?出所かぁ~まぁ秘密だ!」ハハハ。


 しつこく聞いてきやがって、言えるかよ!


「そんなぁ~。教えてくださいよ?俺らも小遣い稼ぎしたいです」

「ハハハ、遊んでた奴らには、教えねぇよ!」

「ひっでぇ!ルーク様酷でェ」

「煩せぇ~!サンズ。ケビン黙らせとけよ?」

「承知!ほれ、ケビン!ルーク様から離れろ」

「チッ」


 あ!舌打ちしやがったな!ケビン!査定マイナス。


「こ、こらお前。主に舌打ちする馬鹿がいるかよ!」

「分かったよ!ルーク様、スンマセンしたー」

「ケビン!テメェ!覚えとけよ?」

「主?何をじゃれてるのだ?主を敬わない者など放っておけばよい!我らが居るのだ!何も案ずることはないぞ!」


 お?随分と勇ましいね、オルタ。

 だが……ケビンお前……覚えておくぞ!


「なら、頼むよ?オルタ」

「て、テメー!オルタと言ったか?巫山戯んなよ?」

「巫山戯けてないが?お前こそ、主を馬鹿にしすぎるのでは?先程から、お前の行動を見ていたが、目に余るようだがな?」

「う!そ、それは。これが俺とルーク様のコミュニケーションの取り方だよ!口出しするんじゃねぇ!後から入った癖に偉そうに!」

「ほぅ………ケビン?俺とのコミュだと?」


 ケビンを、威圧して話し掛ける。


「ヒッ!ル、ルーク様…………」

「どうやらケビン、お前はクビになりたいらしいな?俺はお前のダチぢゃねぇなぁ~。次、巫山戯た事を言ったら覚えておけよ?2度目はねぇぞ!ケビン」

「ヒィ!」

「ば、馬鹿ヤロー!ケビン!ルーク様を怒らすんじゃねぇよ!」


 そう言ってサンズが、ケビンの後頭部を平手で叩く。


「い、痛てぇー!何すんだよ!」

「サンズ喜べ!ケビンとのコンビ解消できるぞ!お前には、副隊長の任を任命するぞぉ~」ハハハ。


「そ、それは………喜んで良いですかね?」


 真剣に悩むサンズである。

 その様子を見たケビンがサンズに詰め寄る。


「お、お前!嬉しいのか?俺とのコンビが解消されるんだぞ!サブになりたいのか!ピンに成りたいのかよォ~!」


「ん?保留だな?」

「って!なんでだよ!断れよ!」


 空を飛びながら痴話喧嘩を始める。

 …………面倒だ放っておこう。


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