第14話 パーティーの後に

 エルクが、矢継ぎ早に全てのプランを話した。

 要約すると、全てルークに押し付けて仕舞いましょうと言う内容だが。

 ここに居る全員が………成る程と、納得した。


「若干、今まで話し合って居たのが馬鹿らしいが。だが、先ほど迄の話し合いを活かしつつ実行だ頼むぞ。フォルクス」

「は、承知致しました」

「それで、父上お聞きしたいのですが、この屋敷は必要でしょうか?」

「ん?エルクまだ、必要だぞ。後で話すがな?」

「そうですか?ですが、チャンスは今の様な気が致しますよ?」


 エルクと父のやり取りを、チェスターは不思議に思う。

 何故父上とエルクだけが、短い言葉で話が通じるのかが、不思議なのだ。

 だがここに居る、チェスターを覗いて全員が話の話の内容を理解する。


「それは、そうなのだが。まだ、話さないと成らん者が居るだろ。それと陛下には私とリエルで、話しに行き。蹴りを着けないと成らないぞ。その話はローズのパーティーが、終わり次第動こうと思う。その方が、動きが取りやすいと思うが……」

「そうですね、その方が私も蹴りを付け易いですね。ではその方向で」


 エルクが母向き確認をする。


「母上、その方向で宜しいか?」


 その言葉で確信した母が答える。


「そうね、もう時期が来たのかも知れないわね。ルークの件も方が着きそうですし。そろそろ潮時ですわね。ですがローズをどうましょうか?もう少しで卒業ですよ」

「ローズは、全寮制の学生です。しかもこの休みが開けても、もう授業も無いですよ。あとは卒業パーティーに、出席するくらいです。なので学園の理事長に、話を通しても良いと思いますが。そこら辺はローズと話してからですね」

「そうねぇ、それなら少し早いけれど、ローズには一足早く、卒業して貰いましょう。ねえガウル宜しい?」


 ガウルも、其で良いと納得する。

 愛娘に危ない目には合わせたくないのだ。

 

「構わんよ、卒業パーティーにだけ、出席させれば良いしな」

「ええ、それが良いかと。しかしチェスター兄様?」


 話が丸で見えてないチェスターが、ポカンとしてエルクの話を伺って居たのを、エルクは見逃さずにチェスターに話を振った。


「な、何だエル?」

「チェス兄様、私達の話が理解出来ましたか?分かって居ますか?」

「す、すまん全くわからん。皆何を言って居るのだ?今の問題はローズの問題と、ルークの問題だけでは無いのか?今までそれを父上、母上と話していたのだよな……(事が早く進むな……)」


 エルクに聞かれたが、理解していないと言いたくはないが、全くわからないチェスターは仕方なくわからないと告げる。


 全くこの兄は、何故こうも鈍感なのかこれでは領地が国に成っても、警備一つ任せられない剣の腕だけは良いが、それだけでは使えない。どうして、こうなったのか我が兄は不思議だ!これならルークの方が何倍も頼りになる。

(だが……これはチェスターの振りなのかも知れないが……?それは本人しか分からないな?全く厄介だ)


「はぁチェス兄様、貴方と言う方は……まぁ、良いでしょう。では兄上、ローズのパーティーが終わり次第になりますが。家族会議を致しましょう。父上母上様もそれで?」


 構いませんねと確認する。


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