第22話 脳筋、能無し……笑

 兄にバトルの詳細を聞くと、勝ち誇った様な笑顔で話し始める。


「ハハハ!ルー久しぶりだな。聞いたぞチェス兄さんに、無体をされたとか。もう大丈夫なのかい?父上も心配して、チェス兄さんをやり込めてだぞ。そんなチェス兄さんに、私が負けるわけが無い!」

「そ、そうでしたか。ですが、王都の屋敷は?」

「安心しろ、大丈夫だ。チェス兄さんの“部屋”以外、壊れた箇所は全て元通りだ!」


 その言葉を聞いて、今迄大人しかったチェスターが怒り出した。


「エル!貴様私の部屋は、修繕してないのか!」

「するわけが無いだろが!この脳筋!自分で直せ、この!能無しが」

「くっ!の、脳筋、能無しだと!」


 チェスターが立ち上がり、エルクに掴み掛かろとするが……。父が素早くチェスターの襟首を掴み、強制適に座らせる。


「喧しい!お前達。後でちゃんと相手をしてやるから、覚悟しろ!だがその前にルークと、話さねばならん事があるだろ!」

「「ヒッ!」」


 兄二人が青くなり黙る。流石父上である。


「「すみません」」

「さて、ルーク」

「はい?」

「聞いたぞ、予定より早い帰りだったらしいな?」

「ええ、父上。申し訳御座いません。私の方でも想定外でして、少し予定が狂いましたが、問題は無いかと?」

「まぁそうだな。遅かれ早かれ、殺ることは一緒だがな………」

「フォル?」

「はい」

「問題はないな?」

「はい、旦那様。然るべき準備は出来て降ります。既に種は蒔いて下ります」

「そうか!それなら、ルークしばらく好きに冒険者をやればよい」

「父上!構わないのですか?」

「あぁ、構わんぞ!名を上げて来ると良い」

「ありがとうございます。では早速………」


 すぐに!と言いかけたが………母上から待ったが掛かる。

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