第20話 衣裳選び

 母と二人で色々と話しをしていると、メイド長のナタリが部屋に入ってきた。


「失礼致します。奥様、ルーク様。旦那様がサロンで、お呼びでございます」

「そうですの?ですが、ちょっと待って頂戴な。ルーク貴方、お着替えをしないとね」


 母に言われて自分の姿を見ると、寝間着姿にガウンを羽織るという……何処にも出れない格好だ。


「あ、そうでした。少しお待ちを」


 立ち上がりクローゼットに足を向ける。


「まぁ~ルーク。久しぶりに、私が衣装を選んであげるわ」


 パタパタと母が勝手にクローゼットに、入って行く。


「母上……それは、恥ずかしいのでご遠慮………」


 申し上げます。と言えなかった。


「え?なになしら……ルーク」


 母が悲しげに振り向いて、俺を見るのだ……勘弁して欲しいが母上には勝てない。


「ご遠慮…し…………お願いします………」

「あら、ルーク。貴方、何か不服そうね?」

「い、いえ。そんな事はないですよ?ハハ」


 若干目を逸らして、カラ笑いをする。

 母上の衣装選びは長いんだよな。


「あっ、ほら母上。私の服を選んで頂けるのでしょう?」


 早くと急かす。


「そ、そうね?ガウル達も待って居る事でしょうし」

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