第6話 訳を

 バタバタと騒がしくしている湯殿に、メイドから呼ばれたセバスが脱衣所に入ると、そこには気を失いぐったりしている、ルークが視界に入った。


「っ!ルーク様」


 セバスは慌ててルークに近付き、ルークの意識が無いのを確認すると、側に居たチェスターに…これは?と聞く。


「チェスター様?ルーク様が気を失っているのは、何故でございましょう??」


 ギロリと睨む。


 すると、メイドから「セバス様、お話は後でお願い致します。まずルーク様を、ベッドへお運びして下さいませ」と声が掛かった。


「そうでした!」


セバスが、慌ててルークを抱え上げて部屋までルークを運ぶ。


 その後ろに、着替えたチェスターも続く。

 ルークの部屋に戻りにベッドに寝かせる。


「サリー!マルクス医師を呼んでください!」


 セバスが、ルークの息を確認する。


 すると、苦しいそうではあるが息は在る。


「ほっ」


 セバスは、後から付いて来るだけで、部屋の中をでおろおろして動くチェスターに、顔だけ向けて眉間に皺を寄せながら、事情を教えなさいと詰め寄る。


「チェスター様?」ギロリ!

「なっなんだ」ビクッ!

「教え頂けますか?何故湯殿でルーク様が、気を失っていて、この様に瀕死なのか?」 

「いっ!嫌、セバス。ルークが急に帰った訳を聞こうとしていたんだよ………」

「ほぉ~それだけでルーク様が、あ・の・よ・う・に、なるのでしょうか?」


 チェスターを睨む。


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