夜のなかに

春嵐

夜のなかに

 夜のなかに。

 何かがあると思った。普通の自分にも、普通じゃない何かが。そんなことを考えていた。

 夜は、普通に夜だった。なにもない。

 ネオンの光。星空。この街には、両方がある。普通じゃないみたいな。綺麗さ。そのなかに、わたしがひとり。普通のわたしが。

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