第23話誘惑とお誘い

ケンジがログインしました。


さて、俺は今、悩み悩んでいる。

昨日ログアウトした後、FIOの運営から一通のメールが来たのだ。



             ※テイマーの皆さんにお知らせ※


今テイムしているモンスターの洋服買ってみたくありませんか?

可愛いものからかっこよくなるもの!

今、見ているテイムのモンスターが変わるかも!

是非、この機会に!!

(このメールの着信から二週間が期限です)


可愛い服セット(ランダム5着) ¥3000


かっこいい服セット(ランダム5着) ¥3000


全てランダムセット(7着) ¥4500



                         FIO運営委員会




まぁ、言わずもがな現実の魔法である。

めちゃくちゃ迷う…。

無課金のまま貫くのもいいんだが、買ってあげたい気持ちもあるしその服を着た感じも見たい。

うーん、悩みどころだ…。

まだ、期限はあるみたいだから、考えよ…。



さてさて、今日はアイラと会うことになっているためアイラのクランハウスに行く。

しかし、名前を知らないな…また教えてもらわなくてはいけないな。

今日もビジュとエルデと一緒に行く。

「じゃあ、行こうか、二人とも」

「はい、ケンジ様」

「うん!早く行こ行こ!!」

二人とも元気みたいだ。

フレイは昨日同様一生懸命鉄鉱石を打っていた。

すごい集中力で話しかけることすらできなかった。




そして、アイラのクランハウス。

アイラがログインしているのは確認済みで、門の前で待っていてということだったので待っている。

すると、ドアが開きアイラが出てきた。

「お待たせ、ケンジ!さぁさぁ、中に入っていいわよ!」

「そんなに待ってはいないが、入らせてもらうよ。ありがとう」

俺は中に入った。

すると、4人が俺を待っていたみたいだった。

「この方達が、私のクランのメンバーのうちの数人よ。紹介するわ」

「あぁ、頼むよ」

「まずは、こっちの大きい男から順番に自己紹介しましょ」

「大きい男ってなんだよ…まぁ、いい。俺は、グランだ。職業は盾士をやっている。よろしく頼むな」

盾士を目指してこのゲームをする人なんているんだ。

「俺は誰かを守って戦闘を有利に進めるのが楽しくてな。おかしいと思われるかもしれながいな」

「そうね…グランはこのパーティーで一番役に立っていると言っても過言ではないわ」

「そうなのか…よろしくな、グラン」



そして、次はエルフっぽい女の子だ。

「じゃあ、次は私ね?私は、マインド。このクランでは弓士をやっているわ。リアルな方でも弓道をしていたからね。よろしく頼むわ」

「よろしく頼む、マインド」



次は、線の細い男の子だ。

「僕は、ジーク。ここでは、魔法職である魔導師をしているんだけど、最近ジョブがクランアップして大魔導師になったんだ。よろしくね」

「大魔道士か…すごいな。ジーク、よろしくな」



そして、最後は見た感じ鍛治師にしか見えないハチマキを巻いた男の子だ。

「俺は、ダイアンっていうもんだ。見た感じでわかるかもしれないが、俺は鍛治師だ。よろしく頼むぜ」

「あぁ、今回はよろしく頼む」

完全に、フレイに似ているな…。

鍛治師ってみんなこんな感じなのか?

「じゃあ、俺からもするよ。俺は、ケンジ。職業は秘密にしてもらいたいんだが、ユニークテイマーというやつになっている。よろしく頼む」

すると、マインドが反応する。

「やっぱり、ユニークテイマーっていう職業は見たことないし聞いたことないわね、β版でも」

全員が、肯く。

「まぁ、俺もその職業がどんなのかアイラから聞いていたが、凄そうな職業みたいだな」

ダイアンは、興味深そうにこちらを見ている。

まぁ、こんな反応だろうな。

特にβ版でさえも聞いたことのない職業なんだからな。



「さて、みんなの自己紹介も終わったところだし、本題に入りたいのだけれど。ごめんなさいね、賢治。建築士なんだけど、今日は用事があって来れないみたいだからまた次回でいいかしら?」

「それなら仕方ないし、こちらはお願いする方だから大丈夫だぞ」

「そう言ってくれると助かるわ。じゃあ、塗料についてダイアンから話してもらいましょ。よろしく頼むわ」



すると、快くダイアンは言ってくれる。

「いいぜ。じゃあ、まずこのゲーム内での塗料は簡単だ。俺らが作るか、自分が作るかのどちらかなんだが、ぶっちゃけ専門職の方が早いし質も高くなるのは確かだ。まぁ、それでも金はあんまりかかんないぜ?どうする?」

「そうだな…エルデ、どうする?」

俺は、ずっと部屋の周りをキョロキョロと見ていたエルデに話しかける。

「うゆ?そうだねー、僕は塗料が使えれば何でもいいよー」

そう言って、またキョロキョロとしだした。

「じゃあ、よろしく頼めるか?」

「いいぜー、じゃあ、何色がいい?」

「一ついくらになる?」

「そうだな…まぁアイラの紹介ということで安くしとくぜ、一つの色で2500ルーペだな」

「それなら、大丈夫だな。じゃあ、今作れる全部の色を、そうだな…2リットルくれるか?」

「ぜ、全部の色か!?まぁ、作れないことないが…一応、24色は作れるぞ?」

「じゃあ、それで頼むよ」

「わかった。代金は6万ルーペだ」

「じゃあ、これで」

「毎度あり!早速作ってくるから、工房の方に行ってくるわ!」

そう言って、ダイアンは奥の方に行ってしまった。

「ごめんなさいね。ダイアンは、鍛治のことになるとああなっちゃうのよ」

「まぁ、あれぐらいがいいんじゃないか?」

「それもそうね。じゃあ、こっちからの提案もしていいかしら?」

「いいけど、なんだ?」

「私たちのクランの名前は、勇敢な者ブレイブスターっていう名前なの。そこで、あなたにこのクランに入って欲しいの」

俺は、やっとこのクランの名前がわかった同時に驚いていた。

なぜなら、戦闘職がたくさんいるクランに入って欲しいと言われているからだ。

「俺が…か?だが、生産職に近い職業だぞ?ユニークテイマーっていうのは」

「それでもいいのよ。このクランは誰でも一応入れるのだけれど、メンバー数人が推薦した人物か、私が推薦した人物しか入れないようになっているからね」

俺は、普通に迷ってしまう。

スローライフを目指しているが、別にボッチになりたいとかそういうわけじゃないからだ。

だが、仲間といることで何か弊害があるかと言われればない。

それに、目立ってもちょっかいを出されることは無くなるかもしれない。

迷うな…。

「まぁ、それともう一つ理由があるのよ」

そう言って、アイラ話し出した。

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