大人のスカウター

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いわゆる合コンに呼ばれ、不承不承参加した。とある居酒屋の個室で行われるのだが、幹事があまり真面目でないので補助しようとそばに寄ると彼女は部屋の入口に検温センサーのようなものを設け、おお時代だねぇなどと感心するも数値表示が体温のそれではない。なんと各人の戦闘能力を測る装置だと、立てた人差し指を唇にあてて厳かめかして囁く。

意味の飲み込めないまま一人、また一人と参加者が通過していき、200〜4000という数値をみて二人で秘かに唾を飲む。

誰かの紹介で訪れた見覚えのない奴がのっそりと現れセンサーの前を通ると、数値が乱高下しなかなか定まらず俺たちは固唾を呑んだ。

するとピーーーという電子音を発したあと停止してしまった。

顔を見合せた彼女が古風なやり口で装置本体を殴打するもビクともしなくなり、女だてらに盛大な舌打ちを打った。

宴もたけなわ、会がお開きになる頃、マシンを台無しにした張本人はそれほど目立つ動きはなかった筈なのに周囲に人だかりが出来ていた。照れくさそうに頭を搔き、朴訥と返答する彼の能力それは。

(無効化…！)

俺たちは納得して会費を徴収した。